旅行透析プランに着手

 地域に根差した医療を目指し、居宅介護支援事業所とデイケア施設「Waki愛愛」、夜間透析も可能な「腎ステーション」など次々に新たな展開を続けてきた。そして来年度は、「旅行透析プラン」という試みにも着手していく。「透析の患者さんは引きこもりがちになります。まして海外旅行など考える方は少ないでしょう。これは精神的にも良くありません。そうした方のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の向上のためにお役に立ちたいのです」と目を細める。

 年々、増加してゆく日本を訪れる外国人観光客。一昨年は2千万人を超え、東京五輪・パラリンピックが開催される20年には4千万人を超えるともいわれている。「当然、その中にも透析の患者さんがいるでしょうし、中にはパラリンピックの選手団にもいらっしゃいます。私どもをはじめ、栃木県内の医療機関も受け入れ態勢を整えておくべきです」と呼びかける。

 また「栃木県には日光の社寺をはじめ魅力的なワールドヘリテージ(遺産)が多くあります。例えば約1週間滞在するうち2、3日を栃木県内で人工透析を受けながら観光を楽しんでいただければ」と医療分野だけでなく、他産業への副次的効果にも期待を寄せている。

 透析治療の病床数113と関東でも最大級の規模の同院には、韓国出身の理学療法士が勤務し、旅行透析プランを進めてきた加賀誠(かがまこと)看護部長は、日本旅行医学会の認定看護師の認定を受けている。さらに昨年11月23日には韓国の仁済大学校海雲台白病院(インジェ大学ヘウンデベック病院)に赴き同プランの契約を結ぶなど着々と条件を整えている。「海外からの患者さんの受け入れが可能になれば、今後は逆に当院の患者さんに海外旅行を楽しんでいただける日も来ると期待しています」。グローバル社会といわれる時代、医療分野でも地域から世界を見据える時代になりつつある。