変わらないために変わる

 今年で創業140周年を迎えるが、「あくまで通過点」と冷静に受け止める。「創業150年は一つの目標ではありますが、これからの10年間はまさに激変の時期と捉えています。地方都市の経済はどうなるのか。中小企業は生き残っていけるのか。ここ5年、10年の間に大きく環境が変化し、生きるすべをどう変えていくか考えなければなりません」

 常に時代の変化に対応しながら「生きるすべ」を見出し、ビジネスとして発展させていく。それが村上という企業が歩んできた歴史そのものと言っても過言ではない。1877(明治10)年、肥料商としてスタートを切り、石炭・石油販売業を経て、1998年から2000年に温浴施設の「宝木之湯」と「宇都宮の湯」を、04年には宇都宮の中心街で「宇都宮屋台横丁」を開業した。

 「変えること、変わることは怖いことです。今になって考えれば、よく屋台や銭湯をやれたな、よく石油業を撤退できたなと思いますよ。でも、やろうとする時は不思議と失敗を考えない。要は腹をくくれるかどうかだけだと思うんです」

 社訓には「不易流行」「勇猛果敢」「原点回帰」が並ぶ。このキーワードを結びつけ「自分の、会社の生き方をしっかり形作ることが大切なんですが、会社の歴史が長くなると変えてはいけない大切なものが多くなり、どうしても守りの意識が強くなる。そこは果敢に攻めなければいけないし、もし迷った時には『本当は何がしたかったのか』と原点に立ち戻ること」と自分流に解釈している。

 今後の「激変の10年」に向けても「今は銭湯や屋台をやっていますが、これをどこかの時期で進化させなければいけない。挑戦を続けられなくなった時には、村上が村上でなくなるということ。その精神だけは、今後も大事につないでいかなければと思っています」と言い切る。

 変わらないために、変わり続けなければならない。時代が変わっても「村上流」は揺るがない。