「かっこいい農業」の創造

 体が急に大きくなると、着ている服が合わなくなる。同じように自分たちの成長のスピードに、自分たち自身が付いていけないこともある。「成長期のように、ひたすらあがいた一年でした」。充実の2016年をこう振り返る。

 法人化して11期目を迎える今年は、「新たな挑戦」をテーマにまい進する。これまで宇都宮市内の出店にこだわってきたが、15年にオープンした「あぜみち上戸祭店」が支持を得たことで、初の宇都宮市外への出店に踏み切った。「今春、鹿沼市千渡に新店舗をオープンします。新しい街でどう展開していくのか、これも新たなチャレンジです」

 一方で、「直売所のあるべき姿、持つべき機能をより深めていきたい」と話す。農業従事者の減少という現実を前に、今、最も必要なものは何かと考えたとき、「生産者の経営能力の向上」と確信した。「生産者自らが商品に値段をつける、これも立派なマーケティングですし、人がつくれない時期に野菜をつくるにはどうしたらいいかと工夫するなど、〝差別化〟と〝ブランディング〟という視点をより強く持ってもらいたいですね」と期待を込める。

 キーワードは、かっこいい農業の創造―。「生きざまのかっこいい生産者はたくさんいます。ですから農家があこがれの存在になってほしいのです。目標とするのは、我々との関わりの中で1億円プレーヤーを誕生させること。それを実現するためにも生産者一人一人が経営能力を持ち、生きる力を身に付けていってほしい。直売所はそれを表現する場であり、私たちは全力でそのサポートをしていきます」

 あぜ道は、田と田の間の細い道を指すが、それは両者を「つなぐ」役割も併せ持つ。「生産者と生産者、生産者と消費者、生産者の理想をつなぐこと。さまざまな関係性を『つなぐ』役割を担っていきたい」

 この「あぜみち」は、農業の未来につながっているのかもしれない。