価値観共有「成長産業」へ

 住宅業界では、少子高齢化の進展による人口減と、需要に対して供給が多すぎる供給過多の状態が生み出す「空き家問題」が深刻さを増している。国内の空き家総数は約820万戸で、賃貸住宅が約420万戸、持ち家も約400万戸に上る。こうした状況を「高度経済成長時代は『量』の時代でしたが、今は『質』『価値観』の時代に変わっています。消費者ニーズの変化に業界が対応できていないことも空き家問題につながっています」と分析する。

 その上で、今年のスローガンとして「斜陽産業から成長産業へ」を強く打ち出す。「核家族が前提の今の消費者が求める家とは何か。生産者と消費者が価値観を共有することで業界の再生、成長を実現できればと考えています」

 そのための重要なキーワードが「生涯使いこなせる家」。マイホームを購入する際、多くの人が日々成長する子どもに合わせた家選びをしがちだが、子どもが成長して巣立った後は夫婦二人きり、そして最終的には一人暮らしも想定される。「多くの場合、人の顔ぶれが変わってもハコは変わりません。リフォームという手もありますが、それより購入時から家族構成の変化にも対応可能で終(つい)の棲家(すみか)にもなれる家が理想でしょう。私たちはそういう家を消費者に提供していくことで、空き家問題の解決にも尽力していきます」と力を込める。

 「戸建て賃貸」に光を当てたパイオニア的存在で、徹底的なコストカットなどの企業努力で「驚異の市場価格・消費者価格」を実現。さらに、全国各地の正規販売店、施工専門店、設計事務所を登録制にして業務委託した「3次元ネットワーク」を展開。全ては「斜陽化」した業界のみならず「疲弊した地域を活性化させたい」との強い思いからだ。

 「自分さえよければいいという競争社会からは新しい価値観は生まれません。共存社会の実現が『成長産業』につながると信じています」