新たな一歩踏み出す年に

 毎年確実に歩みを続け、今年4月にオープンする保育施設は、全国で約30、総計で約130カ所になる。多くは企業内や病院内に設置されている。待機児童問題が深刻な東京都内では、株式会社が運営する認可保育園への道を切り開いた。昨年4月に品川区で1園、今年4月には品川区でもう1園と杉並区に1園の開設を予定。女性が社会で活躍するための大きな支えとなっている。

 数が増えても保育の質は絶対に落とさないとの強い思いがある。その基礎には自身の幼稚園教諭だった経験がある。「理想の幼児教育を常に追求してきました。子どもたちを最優先するキッズファーストの考え方の下、自由保育を実践しています。一方的に型にはめるのではなく、さまざまな体験を通して自分で考え、判断、行動できる子どもを育てたい」。全国展開を通してこの考え方は着実に広がったと実感している。

 これらを支える人づくりにはさらに力を入れる。全国から園長クラス約170人を宇都宮に集めて開く「キッズフォーラム」は、全員で保育とは何かを熱く語り合う。「キッズファーストの理念を共有してもらう場となっています」。今年は「保育士ファースト」を掲げ、各々が保育士を志した時の「夢」「理想」を叶えられるよう本社がサポートし、優秀な保育士確保に努めたいとする。

 優秀な幹部人材を得て、経営的な安定が一層増した。2015年、宇都宮市内に完成した「風と緑の認定こども園」には、幼児教育への思いのすべてを注ぎ込んだ。今年4月には、副社長である妻が社会福祉法人「彩(いろどり~」による認可保育園を鹿沼市内に開設する。「とちぎニュービジネス協議会」の会長として、意欲ある若手経営者に背中を見せる立場にもある。年頭の今年の一文字を「歩」と定めた。基礎ができた今、さらに一歩を踏み出そうと呼び掛ける。「60歳になったら保育現場に戻って幼稚園の先生をやりたい」と語るが、しばらくは休めそうにない。