地域思いの心通う薬局に

 病院で診察を受けたその足で、処方箋を手に院外の薬局で薬を受け取る。「医薬分業」が浸透し、こうした光景が当たり前になったが、まだまだ過渡期なのかもしれない。「薬局は単なる薬の受け渡し場所ではありません。より一層、患者さんの側に立つ薬局でなければ。『モノを人へ』でなく『人から人へ』という対人業務への構造的な変換を進めて、薬局を心の通う場にしなければ」と柔和なまなざしで語る。

 昨年の診療報酬の改定で、これまで以上に薬局の役割の重要度が高まる時代になるという。すでに分業率は70%近くまで進んでいるが、「門前薬局」から「かかりつけ薬局」そしてさらに「かかりつけ薬剤師」への発展が求められる。すでにとちぎ薬局でも、24時間対応の「在宅薬剤師」など、地域に根差したサービスは進めているが「薬剤師も、近隣の皆様の健康維持管理に積極的に関わっていくよう努力が必要です」という。そのためにもより有能な薬剤師の確保とスキルアップが求められる。

 人口減少が進む上、大学の薬学部が6年制に移行してからは、薬剤師の確保がさらに難しくなっている。3年前に奨学制度を始め現在は、6人の学生が同社の奨学金を受け資格取得を目指している。県内の「とちぎ薬局」20店舗をはじめ、県内外で30店舗を展開し、今年も新たに数店舗開局する予定だが、「今後は何をやるにも人材ですよ」と経営者としての一面をのぞかせる。

 地域思いにあふれる経営手腕は、郷土・日光市の活性化にも注がれる。旧今市中心街に「ショッピングプラザ日光」を開店させて8年目に入るが、現在、中心街に4700坪を所有しており、本年より再開発に着手する。「今市はかつて宿場街であり、名前の通り『市』であった歴史ある街なんです。近隣の方が暮らしやすい故郷であってほしいんです」と、再び柔和なまなざしで語った。