地域完結型医療の推進

 JAが開設していた下都賀総合病院、下都賀郡市医師会病院、民間のとちのき病院が統合再編され、昨年4月、「とちぎメディカルセンター(TMC)」による医療活動が始動した。急性期の「TMCしもつが」、回復・慢性・緩和ケアの「TMCとちのき」、保健・福祉事業の「総合保健医療支援センター」に機能分化し、切れ目のない医療を提供する「地域完結型医療」に取り組む。

 「3病院はいずれも急性期の医療機関でしたが、人手不足や施設の老朽化で厳しい状況でした。2013年、TMCが設立され、私は15年に理事長に就きましたが、業態も文化も違う病院でしたから、統合は想像以上に大変な仕事でした」と感慨深げだ。全国的にも先進的な「栃木モデル」として注目されている。

 形はできたので確実に運営することがこれからの責務、と気を引き締める。「その核となるのが院内センターです。各施設に太い横串を刺し、そこに太い血管を巡らせて、生きた組織にする役割を担います」。脳卒中支援、内視鏡、リハビリなど15のセンターを擁している。また、運営面では、各現場の代表や役員で構成する「TMC戦略会議」を月1回開催し情報や方針を共有する。

 地域医療との連携も強化。地域の開業医・医師会との連携協議の場である「医師会・TMC連絡調整会議」を設置した。センターの周辺にある自治医科大学附属病院、獨協医科大学病院には、理事として経営に参画してもらう体制もつくっている。情報交換を通して、地域の患者の動向を把握するとともに、人材の確保も視野に入れる。その上で「何より大切なのは地域の皆さまのご理解です」と強調する。双方向の関係づくりを目指して、各施設手作りの「TMCまつり」や毎月の市民公開講座を実施し、好評を得ている。「どこに住んでいても、どのような病気であっても、あるいは在宅に復帰しても、安心安全を支える拠点になるよう努めたい」と決意を新たにする。