地域社会の「守り手」に

 地震や水害などの被災現場で自衛隊員や消防署員の活躍がクローズアップされることは多いが、自前の重機を使って人命救助や捜索のための土台づくりに貢献している地元建設業者にスポットが当たることはめったにない。「建設産業は、社会資本の整備と共に災害への対応でも極めて重要な役割を果たしています。近年、多発している地震、噴火、水害など突発的な災害に対する地域の『守り手』として建設産業が元気であることが住民の安心につながるのではないでしょうか」

 昨年6月、本県から初めてとなる全国建設産業団体連合会会長に就任した。「連合会ならではの活動を展開し、建設産業が抱える諸問題について解決策を検討していきたい。また、各地域内でとどまりがちだった地方の声を全国の声として国や関係機関に発信していきたいと考えています」と言葉に力を込める。

 地域の建設業界を取り巻く環境は厳しさを増している。長年にわたる建設投資の減少が特に中小建設業者に深刻なダメージを及ぼしており、さらに大都市と地方の「地域間格差」や大企業との「企業間格差」も拡大している。

 こうした中、国は建設産業の再生を目指す施策として、2014年に担い手三法(公共工事品質確保促進法、入札契約適正化法、建設業法)の一体改革を実施。「建設業界でも法改正の趣旨にのっとり、担い手の確保・育成の責務を果たしていかなければならない」と受け止め、協会として「3K(きつい・汚い・危険)」と称されることの多い業界イメージを一新するための戦略を展開している。例えば、県内の女性技術者による座談会の様子を新聞に掲載して注目を集めたり、子どもたちの建設業への興味と親しみを深めるため、「紙芝居」等も作成した。

 「私たちは『地域の守り手』として、住民に信頼され、必要とされる存在であり続けられるよう努力していきます」