地域元気にするエンジン

 「地域に学び、地域に返す、大学と地域の支え合い」―。これが「知の拠点」としてさまざまな改革を進める宇都宮大学の基本姿勢だ。「大学が地域の人たちに『敷居が高い』と思われていては駄目。地域を元気にするエンジンとなる大学を目指し、地域の皆さんと一緒にさまざまな活動を頑張っていきます」

 昨年は、地域に根ざした大学としての存在感を存分に発揮した一年だった。4月に開設した「地域デザイン科学部」の学生、教員が企業や行政との協働で展開したアクティブなフィールドワークが注目を集めたほか、10月には工学部で開発した完熟イチゴを傷めずに収穫できるロボットが政府の「ロボット大賞」で最高賞の一つの文部科学大臣賞を受賞。「地域経済を活性化するイノベーション創出も大学の大切な役割です。本学は基礎研究をベースにした実学の伝統を持ち、地域の産業振興に資する研究を大切にしています。例えばイチゴ収穫ロボットの開発が栃木の攻めの農業につながればと期待しています」と力を込める。

 こうした取り組みは海外からも評価され、昨年9月、「THE(Times Higher Education)世界大学ランキング」で日本の69大学の一つに選ばれた。「国内でランキングに入ったのは、医科歯科系や理系の学部を持つ大きな大学が大半で、そうした学部を持たない地方の小さな大学のランクインは大健闘です。実学が形となった産学連携も高い評価につながったと思っています」と受け止める。

 農学系の研究畑出身ながら、テレビドラマの名セリフを拝借した「問題は研究室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」がモットー。「本学の取り組みを地域の方々に知ってもらい、ぜひ本学のサポーターになっていただきたいと思っています。学長の務めの一つは、そのために広告塔になることと肝に銘じています」。そう言って親しみやすい笑顔になった。