オンリーワンの車づくり

 つくられる車の9割が輸出される栃木工場では、米国が打ち出す方針の影響を受けざるを得ない。「日本のモノづくりの真価が問われる年だと感じています。輸出規制や為替変動は自分たちではどうにもできませんが、さまざまな変化がある中でも、しっかりとしたモノづくりをすることが我々の責務。そのためにも現場の組織力、チーム力を養っていかなければなりません」

 国内ではハイブリッド車を中心に省エネ志向がさらに高まり、昨年11月に発表した「NOTE e‐POWER」は充電の要らないEV(電気自動車)として注目を集めている。「これまでEVを乗られたことがない方も、スムーズな加速や静粛性に非常に驚かれます」と胸を張る。栃木工場では昨年、新型車「INFINITI‐Q60」を立ち上げた。久しぶりの新車でエネルギーは使ったが、「組織も活性化でき、工場全体としていいレベルアップにつなげられました」と手応えを口にする。さらに今後は「『この工場の車がほしい』と言われるような車づくりをしていきたい」と期待を込める。

 車づくりは、コイルから完成車になるまでに工場内だけでも千数百人が関わり、一人一日当たり約200台の車をつくる。「全員が同じ思想の下で、プライドと責任を持ってモノづくりをすることが大切です。同時に、目の前の車を200分の1とは思わず、お客様にとってはその車が“オンリーワン”ということを決して忘れてはいけません」。真摯に車づくりに向き合う姿勢、それを支える組織力と技術力。「それが全て備わったとき、初めて工場としてのブランド力につながるのです」

 国内五つの工場で取り組む拡販活動は、2015年に1位になって以来、一度も1位を譲ったことがなく、これも組織力強化に一役買っている。来年は栃木工場創業50周年。「多くの方に育てていただいた工場なので、しっかりと準備を進めて、盛大にお祝いできたらいいですね」