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社員の健康は企業の財産

 私たち人間にとって、健康は大きな財産です。それと同様に企業や事業所にとっても、そこで働く人材は大きな財産です。企業が事業を健全に進めていく上でも、従業員一人一人の健康は最も重要な課題ではないでしょうか。いま、企業・事業所の生産性や、企業価値を高めていくための「健康経営」という発想が全国的に注目されています。下野新聞社では―とちぎ健康増進プロジェクト―「とちぎ健康経営キャンペーン」を展開していきます。セミナーや、健康経営に意識の高い企業・事業所などの取り組みを紹介しながら健康経営について考えていきます。今回は“キックオフ”企画として、健康経営のもたらすものや、県内外の取り組みなどについて紹介します。

(企画・制作 下野新聞社営業局)

コストでなく将来への投資

 「健康経営」が、多くの企業に広がりをみせている背景には、「少子化による労働人口の減少」、「生活習慣病の増加などによる医療費の増大」、「メンタルヘルス不調者の増加」、「デフレ経済など外部環境の変化に伴う経営合理化の必要性の増大」などがあります。そうした状況を受けて、健康経営に取り組む側のメリットとしては、「従業員モチベーションの向上などによる生産性のアップ」、「疾病手当、健康保険料負担の抑制などによるコスト減」、「企業ブランド・イメージの向上、事故・不祥事予防などリスクマネジメント」などが挙げられます。従業員の健康管理には、さまざまな経費が掛かるのは明らかですが、それを単なるコストとして捉えるのではなく、企業の将来への先行投資であるという意識の変革が大切です。

経済産業省の取り組み

 経済産業省は、すでに東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄」を選定し、企業に対するインセンティブ(動機付け)の提供を進めてきました。今後も大手企業を中心として健康経営への関心度はさらに高まっていくと捉え、本年度も3回目を数える「健康経営銘柄」の選定を進めています。こうした顕彰制度を今後は、大企業ばかりでなく、中小企業にも向けて進めていくそうで、「健康経営優良法人」、「健康宣言に取り組む法人・事業所」などの認定制度により、健康経営に対するインセンティブを強化していきます。

栃木県内の取り組み

 栃木県は働く世代の肥満が全国平均より多く、食塩の摂取量なども、全国ランキングでは上位にいるなどの健康課題を抱えているため、今後ますます健康経営に取り組む必要性は高まっていくでしょう。

 そこで「栃木県」は「全国健康保険協会(協会けんぽ)栃木支部」と「足利銀行」の3者で、県の掲げる「健康長寿とちぎづくり推進条例」に基づき、健康で歳を重ねていける地域社会の実現に向けた取り組みを連携して進めていく協定を結びました。具体的に「協会けんぽ」は、健康格付型バランスシートの提供を通じた会員企業に対する健康経営の普及を促進しています。「足利銀行」は、このバランスシートの格付けに応じた専用融資商品「健康経営応援ローン」を昨年10月から始めました。こうしたインセンティブ(動機付け)の提供により、「健康長寿日本一とちぎ」に大きく貢献していく方針です。さらに「栃木県」は、両者と連携を取りつつ、「健康経営」の取り組みの周知を進めています。

全国各地の取り組み

【青森市の場合】

 青森市では、職場の健康づくりに積極的に取り組み、実践している企業・団体などの事業所を青森市が募集し、一定の基準を満たしている場合に「あおもり健康アップ実践企業」として認定し、応援する制度を始めました。認定された企業・事業所には、認定証と認定ステッカーを交付し、青森市のホームページで企業名や取り組み内容を紹介するほか、健康講座などの講師派遣、健康教材の貸し出し、健康情報の提供などを行い、企業の健康づくりを応援しています。

【大分県の場合】

 大分県でも、「健康経営事業所認定制度」を始めています。健康経営を目指す大分県内の事業所全てを対象に、大分県と協会けんぽ大分支部で登録し、①健康や保健指導の実施②事業主主導の健康づくり推進③受動喫煙防止対策④健康情報の定期提供⑤事業所ぐるみの健康増進の取り組み―について一定の要件を満たした事業所を「健康経営事業所」として認定しています。登録された事業所には認定に向けた定期的な健康情報の提供、事業所対抗運動イベントの開催、働き盛りの健康みえる化促進事業の案内などのサポートがあります。

 昨年度は503事業所の登録があり、137事業所が認定されました。一方で大分県では「従業員の健康は気になるが、何から始めたらよいのか分からない」「時間がなくてなかなか進まない」など健康経営に積極的になれない事業者に対し、行動が起こしやすいようさまざまな支援も行っているようです。

【全国に広がる「健康宣言」】

 また協会けんぽ各支部などが中心となって「健康宣言」が全国各地で行われ、地域や企業・事業所が一丸となって健康増進の図れる機運を醸成していく取り組みが進んでいます=下図参照。栃木県でも、協会けんぽ栃木支部が「健康職場づくり事業」を始めました。こうした協会けんぽの事業だけでも全国で24を数え、さらにはそれらと連携した、その他の金融機関などの進めているインセンティブ措置(金利優遇など)の事例は、足利銀行の「健康経営応援ローン」をはじめとして全国に30件以上存在しています。「健康経営」は今後も、国民的運動として高まりをみせていくでしょう。