校庭ではあちこちで雪合戦。10分しかない休み時間もなんのその。目一杯遊んでほっぺを真っ赤にして、チャイムが鳴ると慌てて教室に駆け込む。子供の頃、冬は楽しみな季節だった。栃木県の北部は、今よりももっと雪が降った。自宅の辺りでもちょっと降れば30センチ位は積もる。授業中に雪が降り出すと、みんな窓の外が気になってそわそわ。帰りの時間まで降ってますように!そんな風に思っていた。
雪が降ると、周りの空気の色が変わる。目を閉じて耳を澄ませると、本当にしんしんと聞こえてくる。夕ご飯の後も、急いで窓際に行く。ガラスに、はぁっと息を吹きかける。キュッキュッと袖口で拭いて目を近づける。まだ降ってる!よかった!お風呂の後も、寝る前も、何度も何度も窓から外をのぞく。本当は外に出たかったけど、これは朝まで取っておくお楽しみ。ワクワクしながら眠りについた。
さあ朝だよ。窓の外は一面の銀世界。一番最初の足跡をつけたくて、長靴を履いて外に出た。ふわっギュ、ふわっギュ。おひさまが積もった雪を照らすから、キラキラ反射してすごくまぶしい。さらさらの雪は固めにくいけど、それでも頑張ってぎゅうっと固める。「おかあさん!お盆ちょうだい!」。やっとのことで楕円形にした大小の雪のかたまりに、南天の実と葉っぱを刺した。お盆の上のうさぎの親子も何だか楽しそう。得意げに家に持って入る。お姉ちゃんの作った雪のうさぎを見て「僕も」という弟。朝ごはんを食べてからにしなさいと母に言われ、大慌てで食べて外に出た。弟と二人、今度は雪だるまを作るよ。いつもはケンカばかりだけど、こんな時は仲が良くなるんだよね。
雪が降ると思い出す、冷たいけどあったかい想い出。今度雪が降ったら、子供たちと雪うさぎを作ろう。