辛みがほとんどなくて、軟らかく、甘いねぎとして人気が高い「白美人(はくびじん)ねぎ」。大田原市、那須町など県北地方で生産されており、2003年には、意欲的に経営や技術改革に取り組む個人、団体を表彰する日本農業賞(主催・JA全国中央会、JA都道府県中央会、NHK)最高位の大賞を受賞したねぎです。「白美人ねぎ」は那須野ケ原の豊かな大地と清らかな水に育まれ、白くすらりとした容姿と、ほのかな甘さをたたえた食感の良さが魅力です。

一年を通じて生産

 JAなすのねぎ青年部部長の、那須町沼野井、高橋明雄(たかはしあきお)さん(45)は父久雄(ひさお)さん(70)、母信子(のぶこ)さん(67)と白美人ねぎを生産しています。1998年の那須水害では近くの余笹川が氾濫しました。高橋さん方は、ビニールハウスが全壊するなど大きな被害を受けました。そうした被害に遭いながらも、明雄さんは消防団員として復旧に力を尽くしました。その後、ビニールハウスは場所を移転して建て替えて、現在は15棟で白美人ねぎを作り続けています。

すき焼きのたれで

 高橋さんが生産する白美人ねぎは軟白長ねぎという品種で、一年を通して生産しています。種撒(ま)き、育苗、植え付けなどを経てから出荷まで8カ月から10カ月かかります。一本のねぎの長さも普通のねぎより20センチ程度長いのも特長です。

 高橋さんは「私は白美人ねぎを焼いて、すき焼きのたれを付けて食べるのが好きです。軟らかく生でも食べられるので、子どもさんにも人気があるようです。一度食べると好きになる人が多いようで、『どこに行けば買えるの』という問い合わせもあるほどです」と話しています。

 最近ではテレビ番組でも紹介され、とちぎ農産物マーケティング協会も「地域ブランド農産物」に認証しています。高橋さんは「これからもさらに白美人ねぎの品質を高め、多くの人に味わってもらえるように努力したい」と話しています。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

●白美人ねぎの歴史 江戸時代からねぎの名産地として知られる栃木県。1982年に大田原市で栽培が始まった。当初は「幻のねぎ」と呼ばれていたが、テレビ番組などで優れた食材と紹介され、ブランド野菜の仲間入りを果たした。

●白美人ねぎの特長 ねぎは光にあたると青く固く育つが、白美人ねぎは光を遮って白い部分が長くなるように育てられている。ねぎ特有の臭みもなく、食感も軟らかい。

次代を担う/JAおやま
稲葉 賢一(いなば・けんいち)さん(36)

採れたてレタス味わって

 明治大農学部農業経済学科で学んだ後、実家の農業を継ぎ、父(多喜男さん)とともにレタス生産に取り組んできました。

 しかし、28歳の時、父が56歳で亡くなりました。最初はやっていけるかどうか不安でした。でも、周りのレタス生産者に励まされたことと、若い仲間も多かったことなどで今までやってこられたと思っています。

 小山市武井地区は県内一のレタス生産地で、東京などに出荷しています。レタスは天候などに価格が大きく左右されます。Lサイズのレタス1箱が数百円から数千円までの幅で上下します。ですが、価格が高かろうが、低かろうが安定的に生産しなくてはなりません。3年先の長期的なスパンでの生産を基本姿勢にしています。

 そうした市場動向にも注意しながら、生産にも神経を使わなくてはなりません。レタスの大敵は病害虫です。病気を予防するには小まめに管理することが必須になってきます。

 母(久枝さん)とラオスからの技能実習生ケオさん、カムハックさんの4人で生産しています。品質には自信があります。取れたてのレタスはみずみずしくておいしいのでぜひ味わってください。