本県を代表するスタミナ野菜のニラは、年間を通じて店頭に並びますが、冬から春のものは葉が厚くて柔らかく、甘みも豊かで特にお薦めの逸品です。2015年産の本県のニラの生産量(農林水産省作物統計)は1万700トンで高知県に次いで全国2位。主な産地は鹿沼市をはじめ大田原市、上三川町など水田地帯を中心とした県内全域です。

 食べると体が温まり、胃腸の機能を整え、風邪の予防や疲労回復など薬用野菜としても知られるニラは、古くは古事記にも登場する歴史ある野菜です。カルシウムやカリウム、鉄分などを豊富に含み、ギョーザやニラ玉などの家庭料理をはじめ、中華料理や韓国料理にも欠かせない食材です。寒さが厳しさを増すこの時期は、鍋料理の名脇役としても活躍します。

▽通年出荷体制を確立

 全国トップクラスの産地である本県で、県全体の約4割の生産量を誇るのがJAかみつがです。同地区では主力の12~5月収穫の冬ニラと、6~11月収穫の夏ニラがあり、年間を通じた出荷体制を確立しています。

 JAかみつが鹿沼にら部の副部長で栃木県農業士でもある石川順一(いしかわじゅんいち)さん(54)=鹿沼市南上野町=は、ニラ栽培歴30年のベテラン。「優れた土壌ときれいな水が自慢の地域です。伝統ある産地ですので、誇りを持ってニラを作っています」と胸を張ります。寒暖の差が激しいこの時期のニラ栽培は温度管理が重要で、「天候やニラの様子をよく観察することが大切です。状況をよく見て、ハウスを換気するなどきめ細かい作業がニラのおいしさや収量アップにつながります」と石川さんは話します。

▽部員一同で品質向上

 かつて本県は生産量で日本一を誇っていましたが、生産者の高齢化や後継者不足などで徐々に出荷量が減少していて、06年以降は高知県にトップを奪われています。石川さんも生産量首位陥落に心を痛めている一人で「県内最大産地として、生産者の高齢化の問題など課題も多く感じています。農業士として作業効率アップの手法などを探っています」と話します。また、北海道から沖縄までニラの産地が増えている現状を見据え「産地としての力を維持していくためには、安全安心で高品質なおいしいニラを、消費者の皆さんにより多く届けることが大切だと思っています。品質の向上に部員一同で取り組んでいます」と言葉にも力が入ります。

 鮮度が命とも言われるニラ。石川さんは「鹿沼をはじめ、栃木県では全国に誇れるおいしいニラがたくさん作られています。輸送にも時間がかかっていませんので、より新鮮な地元のニラをぜひ味わってください」と呼び掛けていました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 本県のニラの歴史

    栃木県では冬季の労力活用と安定した収入確保を目的として、昭和40年代初期に鹿沼地方で栽培が始まり、その後、水田転作作物としての導入や、緑黄色野菜の消費拡大によって県内各地に産地が生まれた。

  • ニラの栄養価

    ニラの独特のにおいの成分は硫化アリルで、消化酵素の分泌を活発にする、ビタミンB1の吸収を高めるなどの役割を持っている。ニラに多く含まれるビタミンAは、肌のかさつきを防ぎ、潤いを与える働きがある。

  • おいしいニラの見分け方

    みずみずしく新鮮で、葉が濃い緑色で肉厚なものがお薦め。茎の部分にしっかりとした弾力性のあるもの、手で持ったときにあまりしならないものを選ぶと良い。


JAなすのいちご部会/青年部長/
中山征人(なかやままさと)さん(37)/収量増目指し試行錯誤

中山征人さん

  昨年、父(誠司(せいじ)さん)から経営を引き継ぎ、自分が中心となりイチゴを栽培しています。両親も以前と変わらず一緒に働いていますが、自分が経営者となったことでやりがいと責任を感じる毎日です。

 高校卒業後は一時、自動車整備士として働いていました。工業系の仕事にも面白さがありましたが、幼いころからイチゴの収穫などを手伝ったりしていたので、自然と農業に魅力を感じていたようです。まずはバイトという形で実家を手伝うようになり、27歳から本格的に就農しました。

 最初は、農業の基礎知識がなく苦労しました。父の仕事を見て覚えるのはもちろんですが、それ以外に部会の先輩方が親身になっていろいろな事を教えてくれたことがとても支えになりました。今でも先輩方や同世代の仲間たちと情報交換しながら、より良いイチゴ作りに励んでいます。

 経営者になったので、少しずつ新たな事にも挑戦していきたいと思っています。まずは収量アップを図り、さらに将来的には雇用を増やせればとも考えています。ずっと働きづめだった両親が、少しのんびり旅行できるくらいには労働量の軽減を図りたいです。


ようこそJAへ/JAなすの/農業体験教室を4月開講

 JAなすのでは、地域の皆さまのさまざまな願いを実現していくために「JAくらしの活動」として11年前から親子農業体験教室「なっちゃんクラブ」を開講しています。次世代を担う子どもたちに農業への理解や地域とのつながりを深めてもらうこと、食の大切さを学んでもらうことを目的に活動しています。

 活動終了後には、参加者から感想文と絵を提出してもらい、次年度のなっちゃんクラブカレンダーを作製し配布します。これをきっかけに、家庭内で「食と農」についての話題が増えることを願って、今年も4月からスタートします。

 JAなすの管内(大田原市・那須塩原市・那須町)にお住まいの方ならどなたでも受講することができます。この他にも「男の居場所講座」や「彩菜農業塾」、「フラワーデザイン教室」などさまざまな講座を開設。ご興味のある方はお問い合わせください。これからもJAなすのは豊かなくらしをサポートし、地域になくてはならないJAを目指します。お問い合わせはJAなすの経済部生活福祉課電話0287・62・5873まで。