鮮やかに赤色に輝く姿はまるで宝石のよう。大粒で甘くジューシーな「とちおとめ」は、イチゴ収穫量48年連続日本一を誇る「いちご王国」の本県を支えるエースであるだけではなく、日本を代表する人気品種です。

▽誕生20年衰えぬ人気

「心を込めて育てたおいしいイチゴを皆さんにお届けします」と話す白滝部会長

 とちおとめはかつて県産イチゴの主力だった「女峰」の後継品種として、1996年に県農業試験場で生まれました。女峰の特性である形の良さや色の鮮やかさを受け継ぎながら、粒は大きく、味は甘く、果肉はやわらかく、果汁もたっぷりな1ランク上のイチゴを実現しました。2014年には「スカイベリー(栃木i27号)」が品種登録されましたが、栽培の中心は現在もとちおとめが担っており、誕生から20年を経た現在も人気に陰りはありません。

 冬の日照時間が長く、肥沃(ひよく)な土とおいしい水に恵まれた本県はイチゴ栽培に大変適した地域です。その中でもJAはが野は2016年産(15年秋~16年春)とちおとめの販売額が89億5千万円でスカイベリーと合わせると90億円を突破した一大産地です。県産イチゴの販売額のうち同JAが約4割を占め、単位農協として全国一を守っています。

 全国屈指の産地を守る同JAいちご部会の白滝佳人(しらたきよしと)部会長(55)=真岡市東大島=は30年以上の栽培歴を持つベテランです。3カ所の連棟ハウス延べ1600坪でとちおとめを栽培している白滝部会長は「先達が多くの信頼を集め作ってくれた産地としてのブランド力を、大切に守っていかなければなりません。同時に今後も産地として成長を続けられるように、新たな取り組みにも挑戦しています」と話します。

▽自然と調和し栽培

 白滝部会長が特に力を入れているのはイチゴを定植する前の土づくりと、自然に寄り添った栽培です。白滝部会長は「かつては化学肥料などを中心に使っていましたが、現在は土壌にもともといる微生物の力を活性化させるような有機肥料を主に用いています。また、私たちの部会では総合的病害虫管理(IPM)にも取り組んでいます。これは農薬だけに頼り病害虫を駆除するのではなく、病害虫に対しても天敵となる微生物などを散布するなど、より自然に寄り添った栽培方法です」と笑顔を見せます。

 「農薬や肥料は確かに進化しました。しかし今後は、自然とバランスをとって栽培する方向に戻っていくのではないでしょうか」と白滝部会長。とちおとめは誕生から20年以上がたち栽培技術も確立されてきていますが「毎年毎年が勉強です。消費者の皆さんの笑顔を想像しながら、家族や友人に届けるような気持ちで心を込めて日々、イチゴを作っています。同じような気持ちは本県の多くのイチゴ農家が持っているものだと思います。ぜひ、おいしい栃木のイチゴを味わってください」と呼び掛けていました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 本県のイチゴの歴史

    昭和27年に宇都宮市姿川地区と御厨町(現足利市)で集団栽培されたのが産地の始まりと言われている。本格的に県内全域で栽培されるようになったのは、昭和30年代に入ってから。

  • おいしいイチゴの選び方

    ヘタが青々としてみずみずしいものが新鮮。赤い色が均一で色が鮮やかなもの、ツヤがあるものがお薦め。パック入りのイチゴは下から状態を確認し、果汁がしみ出していたり果肉がつぶれているものは避ける。

  • イチゴのおいしい食べ方

    洗う前にヘタを取ると切り取った部分から水が入り込んで水っぽくなるので、食べる直前に取る。イチゴはヘタ側より先端の方が甘みが強いので、ヘタ側から食べた方が甘さがより強調される。


JAしおのや/澳原大介(おきはらだいすけ)さん(28)/
母校でイチゴ栽培指導

 県外で会社勤めをしていましたが、5年前の11月、イチゴの収穫期直前に父が病を患い、急きょ仕事を辞め就農しました。突然の就農でしたが、「いずれは」と思っていたので、「良いタイミングだったのでは」と今では思っています。その後、父も回復し、現在は両親とともに営農しています。

 現在、30アールでイチゴを栽培していますが、今年からそのうちの連棟ハウス1棟(10アール)を自分に任せてもらいスカイベリーを栽培しています。やりがいとともに責任を感じています。スカイベリーは初めての挑戦ですので、毎日が勉強です。まずは安定した収量が上げられるように、栽培技術の向上を目指していきます。来年度はハウスも新設し栽培面積も広げようと考えています。

 食育インストラクターの資格などを取り、一昨年から母校の矢板市豊田小でイチゴの栽培体験を実施しています。自分ができることを通じて、子どもたちに何かを伝えたいと就農前から思っていました。この体験を通じて、少しでも何かを感じてもらえればと思っています。もしこれをきっかけに農業に興味を持ってもらえれば、よりうれしいです。


ようこそJAへ/JAしおのや/終活セミナーを開催

 JAしおのやは「みんなの身近なJA」として親しんでもらえるよう、地域の皆さまとの接点づくり、JAのファンづくりに積極的に取り組んでいます。毎年、管内(矢板市、塩谷町、さくら市、高根沢町)の組合員や地域の皆さまを対象に「組合員の学習室」を開いています。

 今年の「学習室」は、1月29日(日)に「葬祭セミナー~未来にのこす わたしノート~」と題し、終活について皆さまと学んでいきます。「家の光」エンディングノートの書き方やポイントをJAの葬祭センター職員(1級葬祭ディレクター)がわかりやすく解説。また、おくりびと(納棺師)による納棺実演も行います。

 開催時間は、午前10時~午後2時までで、昼食とお土産付き。募集は30名程度、参加料は1000円となります。締め切りは1月20日(金)ですが、先着順になりますのでお早めのお申し込みをお願いいたします。問い合わせ・申し込みはJAしおのや企画管理部総務課電話028・681・7555まで。