間もなく迎える冬至(12月21日)は1年で最も昼が短く夜が長い日です。日本や中国では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力がよみがえってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意味の一陽来復(いちようらいふく)と言い、冬至を境に運が向いてくると考えられていました。いっそう寒さが厳しい日が続きますが、そんな日はすき焼きや鍋などの温かい料理を家族そろって食べるのも楽しみです。名前に「春」を持つ縁起の良い「春菊」はまさに鍋料理の名脇役で、今まさに旬を迎えています。

▽抵抗力、回復力養う

印南さんのハウスで収穫を待つ春菊

 春菊は独特の香りと苦みを持ち、緑黄色野菜が不足する冬場の貴重な野菜として活躍します。すき焼きや鍋に青々とした彩りを添える一方、βカロテンやビタミンB2、カルシウムなど栄養成分も豊富です。独特な香り成分が健康にも良いとされ、漢方ではのぼせを取って熱を下げ、抵抗力や回復力を養う「食べる風邪薬」ともいわれています。

 県内では冬季の労力活用と安定した収入確保を目的として、稲の育苗ハウスを利用して冬場に作付けされたのをきっかけに栽培が始まり、現在では県内全体で生産されています。県内の主な産地は高根沢町、さくら市、宇都宮市、那須烏山市、大田原市などです。産地の一つJAなすの春菊部会の印南浩次(いんなみこうじ)さん(37)=大田原市富池=は13アール、ハウス6棟で両親と3人で協力して春菊を栽培しています。

▽秋冬収穫型で栽培

 春菊には主に秋冬収穫と夏秋収穫の作型があり、印南さんは秋冬収穫型で出荷しています。8~9月にかけて苗箱などに種まきをします。印南さんは、ハウスに空きをつくらないように夏場はミニトマトを栽培していて、その収穫が終わった後から土づくりをし、9月下旬ごろからハウス内に春菊を定植します。「春菊は比較的病気に強く育てやすい作物ですが、土づくりはやはり重要です。消毒などを行い、しっかりと肥料を入れて定植に備えます。収量にも大きく関わってくる大切な作業です」と話します。

 寒さには比較的強い作物ですが、極端な暑さ、寒さはやはり生育に大きく影響します。印南さんのハウスは、井戸水を利用した暖房設備のウオーターカーテンを活用し、ハウス内の温度を5~15度ぐらいに維持しています。「気温が上がってくると、春菊の中の水分が逃げてしまい、どんどんしなびてしまいます。収穫は明るくなるのと同時に始めます。よりおいしい春菊を消費者の皆さんにお届けできればと家族一同頑張っています」と笑顔をみせます。

 こうして収穫されたJAなすのの春菊は県内や、東京、岩手などに出荷されます。「柔らかく、鮮やかな色と豊かな香りが自慢の春菊です。すき焼きや鍋もおいしいですが、天ぷらもお薦めです」と印南さん。少しずつ近づいてくる春を思いながら、旬を迎えた春菊で体も心も温めてください。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 春菊の由来

    キク科で地中海沿岸が原産でヨーロッパでは鑑賞用として栽培されている。食用とするのは中国や東南アジアで、日本には15世紀ごろ入ってきたとされる。春にキクに似た花を咲かせるため関東では「春菊」と呼ばれる。関西では「菊菜」の名でも親しまれている。

  • 春菊の種類

    葉の大きさで大葉、中葉、小葉の3種類に大別されるが、中国地方以西では大葉、関東と関西では中葉が市場の中心になっている。ベータカロテンやビタミンB・C、鉄分、カルシウム、カリウム、食物繊維など栄養素を豊富に含む代表的な緑黄色野菜。

  • 選び方と保存法

    葉先まで緑色が濃く、みずみずしいものを選ぶ。乾燥するとすぐにしおれるので、濡れた新聞紙などで包み、茎の部分を下にして野菜室で立てて保存する。


JA足利/齋藤智(さいとうさとる)さん(37)/PC活用し環境データ収集

齋藤智さん

 8年前に脱サラし、実家に就農しました。祖父の代からトマトを栽培していて自分で3代目となります。最初は父の手伝いをしていましたが、平成23年度の補助事業を利用し新たに1200平方メートルのハウスを建て、このハウスは基本的に自分一人でやっています。父の指導や研修会などを通じてトマト栽培について学び、今は市内の若手農家のグループに入り、情報交換なども行っています。

 ハイワイヤー方式という茎を誘引する栽培方法で、大玉トマトの麗容という品種を12月下旬から7月上旬まで長期間収穫することができています。また、パソコン(PC)を使って、ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素濃度などの環境データを集め栽培の参考にもしています。少しずつですがデータを生かすことができるようになってきており、今後の収量アップにつなげていきたいと思っています。

 サラリーマンと違い自営ですので、自分が思うように仕事ができるのが魅力です。その分、当然責任も伴いますが、やりがいを感じている毎日です。今後は収量アップとともに、中玉トマトなどにも挑戦していきたいと思っています。


ようこそJAへ/JA足利/地域に根差した組織へ

 JA足利では、平成24年度から「くらしの活動」の一環で、足利市内の小学生らを対象とした農業体験スクール「JA足利あぐりキッズクラブ」を開校しています。5年目を迎えた今年度も、さつまいも苗の定植や田植え、さつまいも収穫などを体験し、食や農業について楽しく学んでいただいております。年明けの1月にはみそ造り体験を計画しており、年間7回の活動は終了します。

 また、今年度より「JA足利あぐりキッズクラブ」に参加している小学生を対象とした親子料理教室の開催や、「婚活イベント」を開催し交流のきっかけづくりをサポートしました。

 平成29年度も、「健康長寿100歳プロジェクト」の一環として、「JA足利ウォーキング大会」や「ロコモ予防体操教室」などを開き健康増進や介護予防に取り組んでまいります。さらに、今年初めて実施した「婚活イベント」や新たな企画を検討し、さまざまな活動を通じ、組合員や利用者、地域住民から愛され、地域に根ざした組織を目指します。お問い合わせはJA足利生活部生活振興課電話0284・41・7183まで。