独特の香りと歯ごたえ。たっぷりと含まれるうま味成分グアニル酸は、かつお節のイノシン酸、昆布のグルタミン酸と並び日本料理の三大うま味とされています。おいしい上に低カロリーで食物繊維も豊富なシイタケは、さまざまな料理で時に主役、時に名脇役として活躍します。

 元々は日本の山に自生していたキノコの一つでしたが、現在、流通しているシイタケはほとんどが栽培されたものです。主な栽培方法には、伐採したクヌギやコナラなどの丸太に種菌を植える「原木栽培」と、ナラやクヌギなどのおが粉とチップ、米ぬかなどの栄養体を混ぜて固めたブロックにシイタケ菌を植えて培養する「菌床栽培」があります。

▽繊細だが魅力ある作物

 県内有数の産地であるJAしおのやには、関東でも指折りの規模を誇る「菌床センター」があり、管内の農家に菌床を提供しています。この菌床を用いて、同JA「菌床しいたけ部会」の部会員28人が、産地自慢の「大ぶりで肉厚」なシイタケ作りに励んでいます。

 同部会の小川修市(おがわしゅういち)部会長(63)=さくら市上河戸=は、冷暖房が完備された空調施設5棟とハウス2棟を使用し、約4万5千個の菌床でシイタケを年間通じて出荷しています。菌床センターから小川部会長の元に運ばれた菌床は4カ月ほど寝かせ、菌床内にシイタケ菌を行きわたらせます。その後、発生が繰り返され、一つの菌床から約1キロほどが収穫されます。50歳からシイタケの菌床栽培を始めた小川部会長は「シイタケはとても繊細でなかなか思うようには出てくれませんが、その分とてもやりがいのある作物だと思います」と笑みを浮かべます。「シイタケが出たいなと思っている時に、ちゃんと出ることができるように、よく観察し対応することが大切です。ただシイタケの場合は『菌』ですので、目に見える部分がすべてではありません。見えない部分は想像しながら、手を掛けることが重要です」と話します。

小川部会長のシイタケは大振りでとても肉厚です。通常出荷されているものでも1個当たり50グラム以上もあります。試験的にさらに大きなものにも挑戦しています。小川部会長は「大きい物の方が絶対においしいと思いますし、歯応えもアワビのようです。店頭で見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。きっとおいしさに驚かれますよ」と胸を張ります。

▽可能性持つ栽培方法

「シイタケの菌床栽培は夢のある農業。どんどん可能性を広げていきたい」と笑顔で話す、JAしおのや菌床しいたけ部会の小川部会長

 シイタケは近年、低カロリーで健康食品としても注目されています。また、空調施設を用いた菌床栽培は、大量に高品質のシイタケを安定生産することもできます。使用後の菌床を肥料として利用するなど、循環型農業への可能性も見えます。小川部会長は「農業を取り巻く状況は厳しく閉塞(へいそく)感もありますが、シイタケの菌床栽培はまだまだ大きな可能性を持っていると思います。生産者と行政機関、JAなどが一体となって、シイタケの菌床栽培を活用したプロジェクトなどを行えればと思っています」と新たな展開に期待を寄せていました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • シイタケの歴史

    日本では鎌倉時代には食べられていたようで、江戸時代に栽培が行われるようになった。当時は、野生のシイやクヌギなど広葉樹の原木に傷をつけ、自然の胞子が付着するのを待つ方法だった。

  • 生と乾燥シイタケ

    シイタケを干した乾燥シイタケは長期保存に最適。香りやうまみも凝縮されていて、水で戻すだけで調理できる。乾燥シイタケは主に香りやうまみ成分を生かす調理に向いていて、生のシイタケは食感や風味を味わうのに適している。

  • シイタケの選び方

    肉厚で傘全体に張りがあり、裏側の“ひだ”が白いものが新鮮。傘を下にして裏返した状態で新聞紙やキッチンペーパーで包み、口を開けたポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するとよい。


次代を担う/JAおやま/磯貝雅俊(いそがいまさとし)さん(28)/就農4カ月 日々新しい発見

 父の後を継ぎたいと考え、脱サラし今年5月に就農しました。祖父の代から農家でしたので、幼いころから農業は身近でしたし、代々引き継いできた土地も守らなければと思っていました。父も年齢を重ね体調を崩すこともあったので、父が元気なうちに就農して、いろいろ教わらないといけないという気持ちが強まり、10年ほど勤めてきた運送業の仕事を辞める決心をしました。不安もありましたが、今は良い決断だったと思っています。

 主にナス、ダイコン、ニンジンなどを作っています。実際に就農してみると、体を動かす事が運送業の仕事よりも多く、まだ慣れていないので農作業の時間がとても長くかかってしまい「これは大変だ」というのが正直な気持ちでした。でも、やればやっただけ結果が返ってくるという面白さの方が大変さを上回っています。父の見よう見まねですが、本当に日々新しい発見があります。

 今は余らせてしまっている農地もあるので、まずは持っている農地すべてを有効活用することが目標です。そのために、しっかりと力をつけていきたいと思っています。


ようこそJAへ/JAおやま/「くらしの活動」を積極展開

 JAおやまでは、くらしの中のニーズに応える「JAくらしの活動」を積極的に展開しております。田植えから稲刈りまでの米づくりを通して生産者と消費者が交流を深める「あぜ道サミット」や、地域住民の参加を募り、楽しく会話をしながら料理や食事をすることの大切さを伝える「親子クッキング」など活動内容はさまざま。

 また、JAくらしの活動の「健康寿命100歳プロジェクト」では、近隣のハイキングコースを仲間と一緒に楽しみながら歩く「ウォーキング大会」、カラオケや輪投げ等の「交流会」を実施しています。

 来年2月には講座や実践を通して健康寿命の在り方や生活改善方法を学ぶ「介護予防講習会」の開催も予定しております。JAのホームページや広報誌等で事前に募集をいたしますので、お気軽にお問い合せください。お問い合わせはJAおやま本店生活利用課電話0285・25・3116まで。