イチジクは、実の中に咲く白い花が外からは見えないことから「花の無い果」で無花果(いちじく)と漢字で書きます。ふっくらと丸みを帯びた独特な形。熟すと皮は赤褐色になり、白い果肉の中心が淡い赤色になります。8月から10月ごろが旬で豊かな甘みと、もっちりとした独特の食感が楽しめます。

▽美容食品として人気

 イチジクは食物繊維が豊富で、鉄分、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどのビタミン類をバランスよく含んでいます。また、ペクチンという食物繊維を多量に含んでいて、腸の運動を活発にし、便通を整える効果があります。

 古くから不老長寿の果物ともいわれ、世界各地で食べられてきました。特に最近は健康・美容食品として、テレビ番組などで紹介される機会も多く、人気が高まっています。

▽寒さと害虫が大敵

 寒さに弱い作物なので気候が温暖な愛知県や和歌山県などが主な産地で、本県の生産量は残念ながら多くはありませんでした。そんな中、稲作農家などの新たな複合作物としてイチジク栽培を推進し、産地を形成し来年からの本格出荷を目指して「JA佐野いちじく栽培研究会」が発足しました。今シーズンも、一定量ですが研究会メンバーが作ったイチジクが出荷され、消費者の元に届く予定です。

 同会の熊倉功雄(くまくらいさお)会長(73)=佐野市伊勢山町=のハウスでは、昨年3月末に植えられた「桝井ドーフィン」という種類のイチジクが、一冬を越え大きく枝を張っています。さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴び実もどんどん大きくなっています。

 熊倉会長は「寒さに弱い作物なので最初の冬を越すまでは不安もありましたが、元気に育っています」と笑顔をみせます。

 同会は熊倉会長をはじめ5人でスタートしました。「比較的病気には強いイチジクですが、カミキリムシなどの害虫は要注意です。カミキリムシが木に入り込むと木くずを出すのでそれを見逃さず、すぐに対応することが大切です」と、熊倉会長はイチジクの隅々まで日々、チェックを怠りません。

 イチゴやナシなど果物栽培が盛んなJA佐野地区。「イチジクが佐野市の新たな名物となるように、頑張って育てていきたいです」と熊倉会長。佐野ブランドのイチジクが、県内外で広く楽しめる日も近いかもしれません。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • イチジクの由来

    イチジクは漢字で「無花果」と書くが、花がないわけではなく、外から見えないだけで実の中に無数の小さな花をつける。イチジクという名前の由来は、毎日一つずつ熟すという説や、ひと月で実が熟すことから、「一熟」が語源とも言われる。

  • イチジクの歴史

    イチジクは旧約聖書にも数多く登場する歴史ある果物。アラビア地方が原産地で、その後ヨーロッパからペルシャ、中国へ伝わり、日本へは江戸時代に中国から長崎に運ばれた。当初は薬用として栽培されていたが、生産量が増えるにつれ、食用として親しまれるようになった。

  • イチジクの保存方法

    イチジクは乾燥が大敵なので、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存する。傷みやすいので早めに食べきり、食べきれない場合は、シロップで煮てコンポートにしたり、ジャムにしたりする方法もある。


次代を担う/JAしもつけ青壮年部部長/小道泰紀(こみちたいき)さん(38)/県外から移住し新規就農

 県外から栃木市に移住し、32歳でイチゴ農家を始め6年目を迎えました。「自営で、自分の手でものを作る仕事をしたい」と考えた時、施設園芸に興味を持ちました。情報を集める中で、栃木市のイチゴ農家さんのもとで研修するチャンスを得ることができました。それがきっかけとなり、ここ栃木市で就農しようと考えました。

 就農に際し、栽培技術の習得だけではなく、農地探しなどさまざまな苦労がありました。研修先の農家さんや地主さん、地元のイチゴ部会の方々をはじめ、JAや関係行政機関、地域の方々に支えられて、スタートを切ることができました。

 自然が相手ですので、思うように結果が出ないこともありますが、やはり手をかけなければ、良いイチゴはできません。やったことが形になるのが、イチゴ栽培の面白さだと感じています。

 まだまだ未熟ですが、周囲の方々に支えられながら、この土地で頑張っていきたいと思っています。まずは、より栽培技術を高めること、効率よい作業で労働時間の短縮を目指しています。そしてゆくゆくは、私のような他県からの新規就農者が増えるように、微力ながらも力を尽くせればとも思っています。


ようこそJAへ/JAしもつけ/「食と農のモニター制度」導入

 食の「安全・安心」に対する消費者の関心が、かつてないほど高まる中、JAしもつけは「食と農のモニター制度」に取り組んでいます。消費者が生産者と直接触れ合うことで、農業や食料の現状について知ってもらうという活動です。今年度も9月14日(水)に現地交流会を開催するにあたり、現在モニターを募集中です。

 現地交流会では、同JA栃木地区営農経済センターで農産物の集出荷の様子やJAのとちぎ農産物直売所「よっとこれ」を視察する他、JAふれあい食材の豆腐でおなじみの太子食品工業を見学し、豆腐作りも体験できます。また、JA全農とちぎパールライス部の見学では、米の食味体験もあります。

 モニターの資格は、当JA管内(西方町を除く栃木市・壬生町)に住む非農家、65歳までの女性です。定員は24人で、定員となり次第締め切りとなります。

 【お問い合わせ】JAしもつけ企画総務部くらしの活動課電話0282・24・1180まで。