県内の農畜産物や農産物直売所の旬な話題を届ける「ふぉ~You とちぎJAプラザ」。3月の東日本大震災の影響により、2カ月間掲載を見合わせていましたが、先月18日、「がんばろう!とちぎの農産物」をテーマに新年度第1回を掲載しました。それに対し、県内全域だけでなく福島県、群馬県の読者から、194通の応援のメッセージが寄せられました。そこで今回は、前回に引き続き「がんばろう!とちぎの農畜産物」をテーマに、読者から寄せられたメッセージの一部を紹介します。

 前回(5月18日)のJAプラザに登場したJAうつのみや・越冬トマト部会の古口雄一(こぐちゆういち)さん(上三川町東蓼沼)。震災で大きな被害を受けながら産地振興のため立ち上がる姿に対し、読者からは「東北の被災者を思いやる言葉に感動した」「栃木のトマトを食べます。頑張ってください」など、応援メッセージが届きました。その中には古口さんの高校生時代の恩師・川嶋秀樹(かわしまひでき)さんからの応援メッセージもありました。その川嶋先生の手紙を、取材・再構成して紹介します。

 ▽県立小山北桜高校教諭/川嶋秀樹さん(48)/宇都宮市

 私は県立小山北桜高校の農場長として園芸科学科、造園土木科の農業系2学科を統括しています。大震災の時は、園芸科学科(120人)のハウスも、停電で機能がストップし約2割のトマト苗が枯れました。今回の震災で、生徒、教師、そして社会全体が食の大切さ、農業の大切さを再認識させられたのではないでしょうか。

 5月の紙面で、かつての教え子・古口君が現在、越冬トマトの部会長として立派に活躍している事を知り、感動し思わずペンを執りました。古口君は、私が新任教師として着任した県立宇都宮白楊高校の最初の卒業生であり、私にとっても初めての卒業生ということで、思い入れの深い生徒の一人です。

 古口君が中学1年の時、お父さんが他界し、それ以降、お母さんが一人でトマトやお米を生産し、家族6人の生活を頑張って支え続けられてきたそうです。その姿を見て育った古口君が、お父さんの「遺志」を継いで就農したのは必然だったのでしょう。

 昨今、国内の農畜産業を取り巻く環境は厳しく、特に後継者の問題は大きく影を落としています。本校に通う生徒の中でも、農家の「跡継ぎ」は1割ほどですが私は、「少しでも多くの若者に農業に関心を持ち、理解する大人になってほしい」との思いで教壇に立っています。

 特に地域と農業のつながりの大切さを伝え「地域産業の一翼を担う人材の育成」に努めています。農業は最も地域と密接に関わる産業の一つ。JAおやまの理事には、学校評議員として運営に加わっていただき、地域を支える農業を考えていく面でも協力をいただいています。

 前月の企画で、古口君が言うように「いま自分に何ができるか」を、生徒とともに考え「力を合わせて明るい小山北桜高校を目指していこう」と思いました。全力で農業にいそしむかつての教え子に教えられたような気がします。地域の元気な農業を支えるためにも頑張りたいと思います。

 [写真説明]5月掲載のJAプラザ「がんばろう!とちぎの農畜産業」に寄せられた応援メッセージ

 [写真説明]川嶋秀樹さん

 [写真説明]小山北桜高校のメロンのハウスで生徒を指導する川嶋先生(右端)

読者からのメッセージ ~5月の紙面から~

●那須塩原市/看護師/室井洋子(むろいようこ)さん(55)

 農業は誰にでもできる仕事ではありません。震災の影響で困難な状況を知ると心が痛みます。そんな中でも福島、宮城の仲間を思いやる心に感動しました。また震災後、あらためて食の安全の大切さを痛感、生産者の皆さんに感謝しています。

 [写真説明]室井洋子さん

●小山市/高校教諭/沢村茂樹(さわむらしげき)さん(44)

 上三川高校で国語を教えています。農業は「国の基本」。食だけでなく、里山の景観、歴史、文化にも影響を与えてきました。我々消費者も他人事のようにしてはいられません。「地産地消」に協力し、生徒にも、そう教えていきたいものです。

 [写真説明]沢村茂樹さん

●宇都宮市/伊沢律子(いざわりつこ)さん(39)

 池袋のイベントでの来場者の声を読み、胸がジーンときました。懸命に育てた作物が風評だけで価値が下がるなんて残念です。知人にも農家がいますが、トマトや春菊の話を聞くにつけ食と農の大切さをあらためて考えさせられました。

 [写真説明]伊沢律子さん

●鹿沼市/大貫絵梨香(おおぬきえりか)さん(25)

 トマトの記事を読んで胸が痛みました。愛情込め育てたトマトが全滅しても、再び頑張って作っていこうなんて…。私もこれからトマトを頑張って食べようと思いました。それが私たち消費者にできる精一杯のことです。一緒に頑張りましょう。

 [写真説明]大貫絵梨香さん

●大阪から嫁いできて10年になります。栃木は自然がいっぱいで野菜も新鮮なものが近くで手に入ります。とてもいいところに来たと思いました。地震による被害は大きいと思いますが、私はあまり風評は気にしていません。今が頑張りどころだと思います!!安心・安全だから栃木産のものを普通に食べてます。

 (小山市 36歳 女性)

●親類にホウレン草の生産者がいますが、やはり原発事故による風評被害で売れなくなってしまったそうです。県内には出荷がストップし大きく生計に響いている農家があると聞いて心を痛めています。国や県が支援するのは当然ですが、私たち一人一人がうわさに惑わされず、栃木の農産物を消費し生産者を応援していかねばならないと思いました。

 (足利市 46歳 男性)

●本県でも県東部は被害が大きかったわけですが、それでも農業を続けられることのありがたさを痛感され、避難者にトマトなどの農畜産物を届けるという思いやりの心に打たれました。消費者としては、そのような生産者の思いを受け、栃木の農畜産物をおいしくいただきたいと思います。

 (上三川町 37歳 女性)

●震災後の原発事故による風評被害など生産者の方々には大変な思いをされたと思います。出荷制限があった時、どうしたらいいかわからず農産物を購入する際にも戸惑うことがありましたが、今回の記事を読んで、同じ町内の生産者の方も頑張っている姿を知りました。地元の作物を食べて毎日元気に過ごしたいと思っています。

 (上三川町 30歳 女性)

 コラムオアシス TPP参加 断固反対/日本農業はどうなるのか

 昨年10月、菅直人首相が環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指すと唐突に発言しました。このTPPという聞きなれない言葉が、私たち国民のこれからの暮らしを大きく左右する大きな問題となってきます。

 TPPは、太平洋を囲む国々が、100%関税撤廃を目指す経済的な枠組みで、参加国は例外なしにすべての品目の関税をゼロにしなければなりません。関税がかからなければ、安い価格で輸出できる。その一方、農水産物は安い価格で輸入される。もし参加すれば、海外の安価な農産物が流通し国内農業は厳しい状況に追い込まれ食料自給率は、現在の40%から13%まで低下すると試算されています。

 そうなれば、食卓には外国産の食材があふれ、私たちの食生活は海外の生産事情に大きく左右される不安定なものとなります。貿易が拡大し、経済が発展することは望ましい事でありますが、目先の経済的利益ばかりに目を奪われると、安全・安心な国産の農水産物を口にすることができなくなります。さらに、農水産業や関連産業の衰退により、地域経済の崩壊や失業者の増加など取り返しのつかない事態を招くことにもなります。

 TPPは、農業だけの問題ではなく消費者等国民全体の問題であり、連携して断固反対していく必要があります。

(JAなす南常務理事 田代金市)