地域や学校で農業体験

 鮮やかな赤紫色のサツマイモを掘り出す子どもたちの歓声が畑に響きます。小学生たちが1年を通じ農作業や食などを体験する「ちゃぐりんクラブ」の催しが10月22日、益子町北中で開かれ、サツマイモの収穫や稲の脱穀などが行われました。

 ■ 母親の目線で企画 ■

 同クラブは、JAはが野益子地区の若手女性グループ「菜の花会」に所属する10人のお母さんたちの呼びかけで同町の小学生が会員となり、年20回開かれています。4年目の今年は54人が参加し、田植えから脱穀まで一年を通してのコメづくりや、畜産農家での子豚との触れ合いなどを体験してきました。

 「食べ物は命のもとです。その大切さや収穫までの大変さなどを、母親の目線で子どもたちに伝えたいです」と、萩原晴美代表(40)は熱心に語ります。

 今年7月に食育基本法が施行され、食育を支援する行政の動きも目立つようになりました。このような中、JAしおのや営農企画課は本年度、4人の課員全員が「県食育推進ボランティア」に登録しました。

 地元の小学校の要請を受け、農業体験の授業でくわの使い方や野菜の定植方法をアドバイスするなど活躍しています。9月には中学校のPTAのイベントで、食に関するクイズを企画し好評でした。斎藤民雄課長(49)は、「以前から学校教育の中で農業や食について取り上げてほしいと考えていたので、大きなチャンスをもらったと思っています。要請があれば、どんどん出向いていきます」と意欲を燃やしています。

 ■ 米飯給食増へ要望 ■

 JAグループ栃木は、食育について(1)学校給食の米飯を週4回に増やす(2)全小学校で月1回、コメ粉パンを取り入れる(3)地場産の野菜を利用する-など、学校教育の中での取り組みを強化するよう県に要望。JAとしても、地場産野菜の供給体制づくりなどを整備する予定です。 

 JA栃木中央会の落合靖専務理事は、「食育は学校のみならず家庭でも取り組むことが大切です」と強調。「お父さんお母さん方へのPRが必要です。JAの事業としても方針を立てていかなければならないと考えています」と話しています。

 [写真説明]大きく育ったサツマイモを夢中で掘り出す「ちゃぐりんクラブ」会員の子どもたち=益子町北中


 コラムオアシス 食料安全保障の確立を願って

 栄養過多、飽食が続いたわが国では、多くの生活習慣病が激増しています。しかしこの飽食は輸入農産物依存によるもので、日本の食料自給率は僅か40%です。そして世界の農耕地は森林の過伐や塩類集積等環境悪化等により、年々5百万ヘクタールが砂漠化しています。また世界の人口は近年爆発的増加が続き、現在の64億から年8000万人以上増加すると予測されています。

 一方、アフリカ等の貧しい国では8億余の人々が飢えに苦しんでいるのです。食料生産が人口増に追付けない、食料危機がすでに起きており、人類社会の大問題です。

 この対策は世界各国がその貴重な農耕地を適地適産で、食料生産拡大に最大限取組むことが緊急の課題であると思います。

 今この食料危機を無視してWTO農業交渉が輸出国主導で、自由競争、市場主義の圧力が強まり、輸入国の食料生産が崩壊するおそれがあると伝えられております。しかし1億2000万余の国民食料の安定確保は、民生安定の要であり、国の食料安全保障は国家百年の大計です。これをWTO農業交渉の基本として、是非ともあのガット交渉の轍を踏まないよう国家国民あげての運動が大切と思います。

(JA栃木中央会会長 豊田計)