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医療発の嚥下食が、家庭へも!
見た目も、味も、温かさも。「嚥下食」は普通の食事と変わらない?!

加齢や疾患により、食べ物をうまく飲み込むことが困難になる「嚥下障害」。
飲み込みが難しくなったときに必要になるのが「嚥下食」です。
「嚥下食」は、医療・介護従事者の20年以上にわたる研究と工夫によって進化してきました。
それは、「召し上がれないなら、召し上がれるようにしよう」という日本人のホスピタリティの集大成ともいえます。
いまでは、病院や介護施設を中心に、飲み込みやすさはもちろん、見た目も、味も、温かさも、
普通の食事と変わらない「嚥下食」の導入が進んでいます。
ペースト状のミキサー食やきざみ食が病院・施設で提供されていますが、
さらにひと手間かけて、普通食の見た目により近づけた「嚥下食」が注目されています。

「ご当地嚥下食」が、生きる喜びに!

「ご当地嚥下食」を通じて、医療現場でも、食べる喜び、生きる力を取り戻した方がいます。

episode01.

福島県のご当地食「なみえ焼きそば」

2013年のB-1グランプリで「なみえ焼きそば」が優勝したニュースを見た利用者様が「食べたいけど、食べには行けないね…」と話していたことを聞き、チャレンジ開始。翌年、地元・福島で開催されるB-1グランプリを目標に、改良に改良を重ねました。当日、B-1グランプリのニュースを見ながら「星ヶ丘ホーム風なみえ焼きそば」を召し上がっていただくことに。利用者様は目に涙を浮かべて「美味しかったよ。食べられて嬉しかった!」とたいへん喜んでくださいました。

特別養護老人ホーム 星ヶ丘ホーム
episode02.

群馬県のご当地食「釜めし」

群馬県人が幼い頃から親しんでいる横川の駅弁「峠の釜めし」は、見るたびに懐かしい思い出が蘇るものです。外出が難しい患者さんに懐かしんでいただきたく「釜めし」を嚥下食で表現しました。薬の副作用で便秘になる方が多いため、お粥をサツマイモ粥にし、たくさんの具材と彩りを楽しめるよう工夫しました。

群馬病院
episode03.

栃木県のご当地食「宇都宮餃子」

宇都宮餃子会に加盟する店舗の餃子の具材を提供し、嚥下食として調理していただいたところ、バーナーで炙るなど、見た目、香り、味とも、まさに本物の餃子のようだったのです。日本一の餃子の街を標榜するからには、幼児から高齢者までが美味しく餃子を召し上がってもらえる街でありたい、そんな思いが強くなり、実際に市内の老人ホームで高齢者に食べてもらいましたが、皆さんの笑顔が忘れられません。餃子の味とともに昔の思い出まで蘇り、心身ともに元気になったという印象を受けました。全国には郷土食やご当地グルメがたくさんあります。そんな美味しい料理が高齢になっても楽しめるとなれば、超高齢社会を迎える不安もやわらぐと感じました。この取り組みによって全国に高齢者の笑顔が広がることを期待しています。

協同組合宇都宮餃子会 事務局長
episode04.

沖縄県のご当地食「三枚肉」

「三枚肉がのった沖縄そばが食べたい」という入所者様や「食べさせてあげたいがミキサー食ではちょっと…」というご家族のために、簡単で高栄養なレシピを目指しました。試行錯誤の結果、「うで肉」を使用することで、リアルで高栄養な三枚肉を手軽に作ることができ、入所者様にたいへん喜んでいただけました!

介護老人保健施設オリブ園
episode05.

長野県のご当地食「信州のおやき」

以前から「経口移行段階の利用者様が食べたい料理を嚥下食で提供する」取り組みを行なってきました。今回のおやきはゼリー類を経口摂取できるようになった利用者様の「ご当地食のおやきを食べたい」という要望に応えたメニューです。硬さや飲み込みやすさだけでなく、味付けや見た目のリアルさにもこだわっています。

特別養護老人ホームふれあい荘
episode06.

愛媛県のご当地食「揚げ足鳥」

「揚げ足鳥」は、地元・愛媛県四国中央市で昔から愛され続けている、歴史ある郷土料理のひとつです。患者様を含め、多くの方に「揚げ足鳥」を食べていただき、喜んでほしいという気持ちで創作に臨みました。「まさか“揚げ足鳥”が食べれられるなんて!!」と、患者様に感動していただけたら嬉しいです。

エームサービジャパン株式会社 HITO病院事業所
家庭でも「嚥下食」が広がっています!

最近では、在宅介護のニーズの高まりを背景に、 ご家庭でも、医療発の嚥下食にトライしてみようという方も増えています。 ゲル化材の進化によって、ご家庭での嚥下食づくりも以前よりずいぶん手軽になり、 「おうちでできるえんげ食」と題したレシピ本レシピサイト1日講座なども注目を集めています。

手軽になったとはいえ、ひと手間かかるのも事実。 そこは無理せず、余裕がある時や、お祝い事などのとっておきの日にトライしてみてはいかがですか? 市販の調味料や缶詰を上手に利用し、おいしく“手抜き”できるレシピも充実してきています。 家事や介護に疲れてしまわないよう、気負わずに、取り組んではいかがですか?

“嚥下機能に問題がある方”を対象にした
「食品」の基準が国により整備。選ぶときの目印に!

新しい介護食品“スマイルケア食”(農林水産省)

「スマイルケア食」は、農林水産省が取り組む新しい介護食品の愛称です。かむことや飲み込むことなどの食べる機能が弱くなった人や、栄養状態がよくない人などを対象としています。食品の固さや食べる機能の状態(かむ力・飲み込む力)などによって、7つに分類されているので、自分に合った商品を選びやすくなっています。特に「赤」マークは、飲み込む機能に問題がある人向けの食品です。その規格基準は、消費者庁が管轄する特別用途食品「えん下困難者用食品」の表示許可を満たすことを条件としています。

特別用途食品「えん下困難者用食品」(消費者庁)

通常の食事がとれない病気の人などのために特別に配慮された食品を国が審査・許可する「特別用途食品」のひとつに 「えん下困難者用食品」 があり、現在、12の食品が認定されています。選ぶときの目印にしてください。