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2017とちぎ防災マスター育成講座 [第2回] 災害図上訓練を実践し、大雨・台風・土砂災害への備えを学ぼう

[第2回]災害図上訓練を実践し、大雨・台風・土砂災害への備えを学ぼう

第1部
災害図上訓練「気象庁ワークショップ 経験したことのない大雨 その時どうする?」
講師 NPO法人栃木県防災士会 理事長 稲葉 茂さん
第2部
「大雨や台風に備えて」
講師 宇都宮地方気象台 防災気象官 辻本 嘉大さん
第3部
「土砂災害と対策」
講師 栃木県県土整備部砂防水資源課 課長補佐(統括) 天尾 潔さん

災害図上訓練を通して、日頃からの備えの大切さを実感

 8月19日(土)、ニューみくら(宇都宮市)で開催された第2回目の講座は、災害図上訓練「気象庁ワークショップ 経験したことのない大雨 その時どうする?」からスタートしました。これは、「河川沿いのある町に、これまで経験したことのないような大雨が降り、河川氾濫や土砂災害の危険が迫っている」という想定の下、AからEまでの6グループに分かれた受講者が状況を判断し、いつ、どのように、何をするべきかを検討する訓練です。最初に家屋が建つ場所や強度、家族構成、車の有無を、各グループがくじ引きで決定。配布されたマップを見ながら、時間を追って提供される災害情報に、いかに対応すれば安全に避難できるのかを考えなければなりません。

 進行役(ファシリテーター)はNPO法人栃木県防災士会の稲葉理事長。専門家として招いた防災士の福田一郎氏との掛け合いで、さまざまな情報がもたらされます。会場がざわついたのは、「お伝えするのを忘れていましたが、実はすでに河川が氾濫し、災害が発生していました」と、福田防災士が報告したときでした。各グループとも、災害発生前に決めた避難ルートが安全かどうかを再確認し、危険が迫っていると判断したグループは、真剣な表情でディスカッションを重ね、新たなルートを見つける等の対応に追われました。

 そしてグループワーク終了後、グループごとに「避難ルート」「時刻ごとの対応」「避難方法」を1枚の模造紙にまとめて発表が行われました。発表から伝わってきたのは、各グループの高い危機意識です。災害が迫る中、「歩行困難な祖父母が同居している」「河川のそばに家が建っている」等それぞれの条件の下でさまざまな状況を想定し、どんな行動が適切かを多角的に検討したことがよく分かりました。最後にまとめとして避難のポイントを解説した福田防災士は「いつ、どこで、どんな災害が起きるかは誰にも分かりません。図上訓練で、日頃の備えの重要性がご理解いただけたと思います。家族でいざという時の対応を話し合っておくなど、本日の図上訓練をご家族、地域の防災に役立ててください」と平時からの備えの大切さを訴えました。

 休憩を挟んで行われた第2部は、昨年も本講座の講師を務めた宇都宮地方気象台の辻本防災気象官による講義「大雨や台風に備えて」。普段、直接話しを聞く機会が少ない“防災気象官”から、身近な天気予報や災害情報等の講義が聴けるとあって、受講者たちは興味津々。辻本防災気象官は、「気象台がどんな仕事をしているか知っていますか?」と質問を投げかけ、気象台の業務や天気予報についてレクチャーした後に、本題の大雨・台風災害の動画を紹介しながら、注意するポイントを解説しました。特に、「特別警報」「警報」「注意報」については、気象の推移が分かる気象庁ホームページの表示例や、それぞれの危険性の高さの違いを分かりやすく説明し、気象庁が発信しているさまざまな災害情報の活用を呼び掛けました。

 最後の講義は、第3部「土砂災害と対策」、栃木県県土整備部砂防水資源課課長補佐(統括)の天尾講師による講義です。まず天尾講師は、県土整備部作成のパンフレット「とちぎの砂防」を手に、表紙に写真が掲載されている華厳の滝の画期的な崩壊防止補強工事を紹介。県が土砂災害を防ぐために行っている対策や土砂災害防止法についての講義とともに、自身が土砂災害防止工事の専門家として赴任していたネパールの砂防についても興味深いエピソードを披露しました。


受講者インタビュー

下野市在住 三柴 憲一さん

 グループでの災害図上訓練ワークショップを体験して、参加している皆さんの防災意識の高さに驚きました。住んでいる地域も年齢、性別、立場も違いますが、それぞれが「どうすれば安全に避難できるか」「自分に何ができるのか」を真剣に考えディスカッションしたことにより、視野が広がり、自分自身の意識も高まったように感じています。

栃木市在住 Y・Oさん

 東日本大震災を契機に防災について考えるようになりました。夫は消防団員なので、災害が起きた場合に帰宅できないこともあると思います。私自身が自分の命とともに、子どもたちや祖父、地域の方々も守らなければなりません。今回の講義を受講して、気象予報や警報についての知識が深まりました。これまでテレビの天気予報を何気なく見ていましたが、さっそく今晩から注意して見るようにしたいと思います。

講師インタビュー
宇都宮地方気象台 防災気象官 辻本 嘉大さん

 今年は九州や北海道、西日本で豪雨災害が相次いでいますが、栃木にお住まいの方々の中には「他人事」と捉える方も多いようです。災害を「自ら事」として捉え、一人ひとりが防災意識を高めてください。気象庁では、今年7月より大雨・洪水警報及び大雨特別警報を改善するとともに「大雨警報(浸水害)の危険度分布」「洪水警報の危険度分布」の情報提供を開始しました。これは、見てすぐに自分の地域の危険度が分かる防災情報です。ぜひ気象庁HPの情報をご活用いただき、「もっとこうすれば分かりやすい」等のご意見を寄せていただきたいと思います。

※気象庁ホームページにおける危険度分布の掲載ページ
 大雨警報(浸水害)の危険度分布
 洪水警報の危険度分布

栃木県県土整備部砂防水資源課 課長補佐(統括) 天尾 潔さん

 今年度から、とちぎ防災マスター育成講座に土砂災害に関する講義が加わりました。栃木県は災害が比較的少なく安全といわれますが、85カ所が土砂災害警戒区域に指定されており、十分な注意が必要です。県では土砂災害による被害を防止・軽減するために、砂防堰堤などの施設を整備する「ハード対策」に加えて、県民が適切に避難できる態勢を整えるなどの「ソフト対策」に力を入れています。本講座を受講している皆さんは、地域のリーダーとして災害から命を守ること、迅速に逃げることの大切さを周囲の方々に伝えていただきたいと思います。

とちぎ地図情報公開システム(とちぎ土砂災害警戒区域マップ)