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とちぎ防災マスター育成講座 [第4回]避難所生活模擬体験と地域の防災活動

[第4回]避難所生活模擬体験と地域の防災活動

第1部
「避難所生活器具製作体験」
 講師 NPO法人栃木県防災士会 理事長 稲葉 茂さん
第2部
「自主防災組織の活動」
 講師 鹿沼市三幸自主防災会 会長 吉井 和夫さん
第3部
「消防団とその活動」
 講師 小山市消防団 副団長 信末 正雄さん

災害時に何をすべきか、何ができるかを考えよう

 10月15日、ニューみくら(宇都宮市)で第4回目の「とちぎ防災マスター育成講座」が開催されました。NPO法人栃木県防災士会の稲葉理事長による第1部の講義「避難所生活器具製作体験」の会場は、広々とした板張りの体育館。「前回の講義で行った避難所運営ゲーム(HUG)を踏まえて、ここに避難所を設営しましょう」と、ダンボールの組み立て式簡易ベッドと生活スペースのプライバシーを確保するためのパーテーション、着替えや授乳などに使用する更衣室の3つが用意されていました。受講者たちは5人の防災士のサポートを受けながら、床にテープを貼って通路を確保し、3つの生活器具を製作。強度を確かめたり、実際に横たわったりして使い心地を確かめました。

 ダンボール製とはいえ、避難所向きに工夫された器具は頑丈で、寝心地や使い勝手も良いように思えます。エアマットを敷いた簡易ベッドに横たわった受講者からは「家のベッドにしたいくらい」との声も上がりました。しかし、実際の避難所ではスペースの確保が困難だったり、人手が足りずに組み立てることすらできない場合もあるそうです。「避難所は市町などの行政が開設しますが、運営は避難してきた住民の皆さんが担うことになります。前回の避難所運営ゲームと今回の製作体験を、被災時に避難所で何が必要なのか、どんな行動をするべきなのかを考えるきっかけにしてください」と稲葉理事長。また、栃木県県民生活部危機管理課は「県では災害時に備えて緊急支援物資を備蓄していますが、備蓄品は応急的なもので数に限りもあります。今日の体験を基に自分にとって必要な物は何かを考え、ぜひ非常用持ち出し袋を備えるようにしてください」と、アドバイスしました。

 その後、会場を会議室に移して第2部の講義「自主防災組織の活動(鹿沼市三幸自主防災会 吉井講師)と、第3部「消防団とその活動(小山市消防団 信末講師)」が行われました。小藪川が流れる鹿沼市三幸町の自主防災会の会長を務める吉井講師は、「防災情報伝達は、自治会や自主防災会の責務です。自分の身は自分で守るという意識付けを地域に広めることが重要」と強調し、地域が連携して行っている避難訓練や防災啓発活動を紹介しました。また、消防団歴33年の信末講師は、昨年9月の台風18号等による関東東北豪雨災害時の小山市の被災状況を写真で説明。「消防団は5日間にわたり延べ1270名が出動し、水防活動や住民の避難誘導、人命救助活動を行いました」と消防団の防災活動について説明し、「郷土愛護の精神で活動する消防団に、ぜひ入団してください」と熱く呼び掛けました。


受講者インタビュー

宇都宮市在住 K・Tさん

 子どもの成長に連れて地域との繋がりが薄れ、防災に関する情報を得ることが難しくなりました。受講を機に、防災マスターとして地域との関わりを深めたいと思います。防災の知識はゼロに近かったので不安でしたが、日常生活にも役立つ講義を楽しんでいます。

宇都宮市在住 丹生 英昭さん

 民生委員として地域の高齢者と関わっています。宇都宮市中央地域でも少子高齢化が進んでおり、災害が起きた場合にスムーズな避難誘導ができるかどうか、常に大きな危機感があります。講義で各論的に学んだことを、今後の防災活動の実践に生かしたいと思います。

講師インタビュー
避難生活の厳しさを体感する模擬体験
NPO法人栃木県防災士会 理事長 稲葉 茂さん

  私たち防災士は、毎年1回、避難所に見立てた体育館などに1泊し、実際に緊急時用の保存食を食べて簡易ベッドで眠るという体験をします。1泊するだけでも近くに他人がいるストレスを感じることもあり、いつまで続くか分からない避難生活を強いられることの厳しさは想像以上だと思います。

 今回の講義では、実際に避難所で使用される器具を製作し、ほんの少しですが皆さんに避難所生活を模擬体験していただきました。身をもって知ることはとても重要で、実践体験は、いざというときに慌てず、身を守る行動を取るための助けとなるはずです。本講義を受講した県内各地の皆さんがリーダーとなり、学んだすべてを各地での防災・減災活動に役立ててくれるものと期待しています。