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とちぎ防災マスター育成講座 [第3回]災害時の避難所運営

[第3回]災害時の避難所運営

第1部
「避難所運営ゲーム」
 講師 NPO法人栃木県防災士会 理事長 稲葉 茂さん
第2部
「避難所における高齢者支援」
 講師 日本赤十字社 健康生活支援講習指導員(芳賀赤十字病院所属) 石﨑 礼子さん

 8月から毎月開催されている「とちぎ防災マスター育成講座」も第3回目を迎え、講義内容はより実践的な講義へとステップアップしています。10月1日、ニューみくら(宇都宮市)で開催された第3回講義のテーマは「災害時の避難所運営」。県内各地から防災マスターを目指して参加している受講者たちは、ゲームによる避難所運営にチャレンジした後、避難所で役立つ高齢者支援について学びました。

 NPO法人栃木県防災士会の稲葉理事長による第1部の講義「避難所運営ゲーム」で行われたのは、HUG(ハグ)と呼ばれる実践訓練です。HUGは、Hinanzyo(避難所)、Unei(運営)、Game(ゲーム)の頭文字で、「抱きしめる」という意味。今回は受講者が5グループに分かれ、茨城県沖を震源とするマグニチュード8の地震が発生し、住宅や道路が壊れ、山崩れや火災、津波が発生したという想定で、刻々と変化する状況に対応しながら避難所となった小学校に250人を次々と受け入れ、運営するという模擬体験を行いました。

 避難所運営ゲームは全員が初体験。「ゲームですから楽しみながらチャレンジしてください」と稲葉理事長は笑顔で各グループの進捗状況を見守っていましたが、外国人、病人、妊婦、高齢者家族、ペット連れ、喫煙者、泥酔者などさまざまな情報が記載されたカードを、避難所に見立てた平面図に適切に配置するのは至難の業です。時間が限られている上、イベントカードにより避難所に支援物資が届いたり、トイレが詰まったり、次々とアクシデントが起こります。受講者たちは、頭を抱えたり、想定外の状況に苦笑いをしながら、防災士のサポートを受けて何とか時間内に250名の振り分けを完了させました。

 ゲームを体験した人たちが一様に口にしたのは「思った以上に難しく、避難所運営の難しさが分かった」という言葉でした。最後に稲葉理事長が「このゲームに正解はなく、同じ条件下でもそれぞれ違う結果になっています。避難所にはさまざまな人、物が来るということを理解し、よりスムーズにうまく避難所運営ができる防災マスターを目指してください」とアドバイスしました。

 続いて行われた第2部は、芳賀赤十字病院の現役看護師である日本赤十字社健康生活支援講習指導員の石﨑礼子講師が、避難所で役立つ高齢者支援の実践技術を伝授。受講者は災害時の高齢者の反応や気を付ける病気等について学んだ後、効果的な緊急支援物資(タオル・毛布)の使い方や、ハンドマッサージをしながら高齢者の心をほぐす方法を実践しました。


受講者インタビュー

真岡市在住 齋藤 幸代さん

 障がい者福祉施設に務めています。講義で「自助」の重要性を学びましたが、自助が難しい人の命をいかに守るかが私自身のテーマです。どんな備えが必要なのか、どんな工夫をすれば良いかを知るために、防災の基礎知識をしっかりと身に付けたいと思います。

足利市在住 上武 敬知さん

 5年前からボランティアとして地元の中学校を訪れ、「防災共育」のワークショップを行っています。本講座で学びながら、中学生の若い力を生かしたスムーズな避難所運営など、視野を広げて災害時の支援について考え、実践に繋げたいと思っています。

講師インタビュー
災害時に備えた実践訓練が大切
日本赤十字社 健康生活支援講習指導員(芳賀赤十字病院所属)
石﨑 礼子さん

 私自身は看護師として、これまで被災地や避難所での救護活動に関わってきました。災害が起こってしまったとき、多くの人が普段とは違う環境に戸惑い、心身の健康を保てなくなったり、普段通りのコミュニケーションを図ることが難しくなってしまいます。いざというときに自発的に自然に動くためには、普段からの実践訓練でさまざまな防災の技術を身に付けておくことが大切です。

 今回の講義では、温湿布ができる蒸しタオルの作り方や、寒さを防ぐガウン風の毛布のまとい方、ハンドマッサージ法を紹介しましたが、これらはすべて実際に避難所等で役立つ技術です。一度体験して終わりではなく、何度も繰り返してしっかりと技術を身に付けて災害時に備えてください。