解散を前に県被団協の活動を振り返る中村会長=5月中旬、宇都宮市下岡本町

 会員の高齢化を理由に19日の総会で解散を決める県原爆被害者協議会(県被団協)の中村明(なかむらあきら)会長(87)=宇都宮市下岡本町=が17日までに、下野新聞社の取材に応じ「国に被爆者への補償を求めたり、悲惨な記憶を次の世代に語り継いだり、やれることはやり切った」と活動を振り返った。一方で核廃絶が実現していない中での解散に「苦渋の決断だった」と悔しさをにじませ「被爆体験を聞いた人たちなど一人一人が核廃絶の意識を持ってほしい」と訴えた。

 長崎で14歳の時、爆心地から1・2キロの工場で被爆した中村会長は1963年、仕事の関係で本県に移り住み、その2年後に県被団協へ入った。事務局長などを歴任し、約10年前から7代目の会長を務めている。

 原爆で両親と姉を失った。自身は右脚を骨折し満足な処置を受けられなかった影響で、今も歩行の際は足を引きずる。「風邪をひいただけでも、被爆の影響でがんになるんじゃないかとも思ってきた」。70年以上、原爆の爪痕や恐怖、不安と向き合ってきた。

 県被団協は被爆者の健康や生活問題の解決を目的として58年に設立した。核廃絶に向けた活動や被爆体験の伝承にも力を入れ、90年代以降は慰霊祭を毎年実施したほか、学校で被爆体験講話も行ってきた。