城山西小のシンボル孝子桜の前で映画への支援を呼び掛ける安孫子監督(左)と北條さん=14日午前、宇都宮市城山西小校庭

 児童減による廃校の危機を乗り越えた宇都宮市城山西小の教職員や地域住民の奮闘を描いたドキュメンタリー映画「奇跡の小学校の物語」(仮題)が今秋、一般公開される。地域住民らでつくる製作委員会は、クラウドファンディング(CF)で製作費を募っている。

 2004年に児童数が35人となり、廃校も選択肢となった同校。小規模特認校として学区外からの児童を受け入れたほか、文化人による箏(こと)や陶芸の授業、地域住民が栽培した野菜を使ったバラエティー豊かな給食などの取り組みが評判を呼んだ。児童数は徐々に回復し、現在は市内各所から102人が通学している。

 映画製作は、住民有志がこれまでの取り組みや苦労、児童たちの授業風景などを記録し広く知ってもらうおうと計画。ドキュメンタリーで実績のある那須町在住の安孫子亘(あびこわたる)監督(58)に撮影を依頼した。安孫子監督は「殺伐とした世の中で、奇跡を起こした地域の情熱に心を打たれた」と快諾した。

 特色ある授業の礎を築いた手塚英男(てづかひでお)元校長(66)、地域をまとめ学校との連携に力を注いだ地元在住の北條将彦(ほうじょうまさひこ)製作委員長(62)らのインタビュー、同校のシンボル孝子桜、学校行事や授業風景などを2年間にわたり取材した。北條さんは「これまで表に出ることはなかった、学校を支える地域の人の姿も知ってほしい」と話す。

 現在、今秋の公開に向けて編集作業中で、CFで募った資金は映像の最終調整や宣伝費用の一部に充てる。