創刊以来295号を数える「栃木タイムズ」や刊行した単行本に囲まれる編集長の鈴木さん

 【宇都宮】1988年から県内の外国人らに英語で発信を続けてきた情報誌「栃木タイムズ」が、30周年を迎えた。生活情報不足に悩む外国人ら30人が宇都宮市内で創刊してから、4月発行分で295号。インターネット普及など環境は大きく変化したが、編集長の鈴木美恵子(すずきみえこ)さん(71)は「信頼できる情報源として歩み続けたい」と話している。

 同誌は、県内在住の外国人や日本人を中心に14カ国約100人でつくる非営利活動団体「NPO栃木タイムズ」が、原則として1、8月を除く毎月、20ページで1千部発行。公民館や図書館、各自治体の国際交流協会などで無料で入手できる。

 在留資格や就労に関する問い合わせや、人権・法律相談などの窓口紹介のほか、県内の祭りや民話、観光地の記事も掲載。国際結婚やワーキングホリデーなどの経験談も伝える。

 ベトナムからのボートピープルが住んだ烏山町(現・那須烏山市)発の記事や、東日本大震災直後に自宅を開放し被災者を受け入れた外国人など、その時々の在留者の姿も伝えてきた。誌面に掲載した内容を元に、単行本も出版した。

 創刊当時の名称は「ザ・トウホクセン」。翻訳家の鈴木さんが代表となり、1994年6月に「栃木タイムズ」に改称した。当時の代表が急きょ母国に帰国してしまうなど廃刊の危機も何度かあったという。

 県内在住の外国人数は、3万8843人(17年12月)で、創刊時からほぼ9倍増。会の活動に最初から参加しているアメリカ人の那珂川町学校教育課職員ケビン・ブラックバーンさん(58)は「ネットにあふれる情報には信頼できないものも多い。真実を伝える『タイムズ』の出番はこれから」と意気込む。

 今秋にも30周年記念誌を刊行する予定。(問)鈴木代表028・622・1066。