市を代表するブランドである「おやま和牛」。市は新年度から安定出荷に向けた施策に取り組む

 【小山】和牛素牛(もとうし)(子牛)の価格高騰による市内肥育農家の負担を軽減しようと、市は新年度から子牛の繁殖支援と産まれた子牛を一定期間育成する拠点施設を整備する方針を固めた。和牛の受精卵を乳牛に移植して子牛を増やす技術支援のほか、空き牛舎を活用した施設で産まれた子牛を育成する。市農政課は「子牛の自給率を高めて肥育農家の安定生産につなげ、市を代表するブランドである『おやま和牛』の出荷頭数を増やしていきたい」としている。

 同課によると、これらの取り組みは県内の自治体では初めてという。

 市は県内有数の黒毛和牛の生産地。多くの生産者は生後約9カ月の子牛を購入し約20カ月肥育して出荷する。「おやま和牛」の大半は市外で生まれた子牛を市内の肥育農家が育てた和牛だ。

 同課によると、和牛の子牛不足は全国的な課題という。生産者の高齢化などの影響で子牛の平均価格は昨年4月時点で約82万円と、5年間で2倍を超えている。加えて飼料価格高騰も肥育農家の経営を圧迫しており、「おやま和牛」の出荷頭数も年々減少している。

 こうした現状を受け、市は和牛の受精卵を乳牛に移植する繁殖技術に着目。肥育農家で受精卵を移植する技術支援を通して子牛を確保するとともに、生後約9カ月間預かり育成することにした。