日光東照宮の「洗心池」で行われた寒ざらし作業

 【日光】鹿沼市の製麺・製粉業者やそば店で組織する「栃木SOBA研究会」は、山内の世界遺産・日光東照宮境内にある池の「権現水」に浸して作る寒ざらしそばの生産に初めて取り組んでいる。寒ざらしそばを広く普及しようという研究会の理念を受け、東照宮が特別協力した。生産には県や日光、鹿沼両市のそば団体などによる「日光例幣使そば街道推進協議会」のメンバーも加わっており、今後は推進協の活動として本格生産も視野に入れる。

 研究会は9年前から寒ざらしそばの生産に取り組んでおり、東照宮に奉納するなどしている。昨年は国宝「陽明門」の修理完成式典で参列者にも振る舞った。広く普及するため本格生産を検討していたところ、東照宮が境内の「洗心(せんしん)池」の使用を勧めた。

 初めて作業した18日には東照宮による神事が行われた。2月2日までに玄ソバ3トンを小分けにして寒ざらしをする。池の水は日光連山からの伏流水を用いた世界遺産エリア独自の上水道を引き込んでおり、研究会は「飲料水が使えるのは画期的」としている。

 20日は研究会と推進協の10人が参加し、神聖な白衣を身に着けて2回目の仕込み作業を行った。東照宮の稲葉久雄(いなばひさお)宮司は「熱心に取り組む成果として、栃木のおいしい名産品へ育ってほしい」と期待を寄せた。