技能実習予定者のミャンマー人女性と、インターネット電話で言葉を交わす高齢者=11月下旬、上三川町下神主のトータスホーム

 外国人が日本で働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」の対象職種に「介護」が追加され1カ月が過ぎた。県内の介護現場で実習生受け入れに向けた動きは少ないが、人手不足が続く中で新たな担い手として「需要は高い」との声もある。半面、同制度を巡っては本来の制度の趣旨を逸脱し低賃金労働力の確保に利用されているとの指摘も根強く、介護関係者は対応を模索している。

 「日本語の勉強頑張って」「孫みたいでかわいい」

 11月29日、上三川町下神主の特別養護老人ホーム「トータスホーム」。お年寄りたちがインターネット電話で、海の向こうの実習予定者に笑顔で声を掛けた。

 同施設を運営する社会福祉法人幸知(こうち)会は来年夏から、日本人とほぼ同等の待遇でミャンマー人女性6人を受け入れる予定だ。

 現時点で日本人の採用に困ってはいないが「将来の人材不足を見越した」と同法人の佐藤昌親(さとうまさちか)営業部長(39)。6人は現地の専門学校で介護と日本語を学んでおり、来日後に早くなじんでもらおうと月1回、インターネット電話での交流を続けている。

 同制度の介護は、11月1日の技能実習適正化法施行に伴い加わった。研修などがあるため、実習生が実際に働き始めるのは来春以降の見込みだ。

 県や関係団体によると、県内で具体的な準備を進める施設は一握りとみられる。県央のある施設の経営者男性は「専門用語が多い職場。言葉の壁が心配」と受け入れには慎重だ。

 外国人を実習先にあっせんする監理団体の一つ、「医療介護ネットワーク協同組合」(東京都)の担当者も「情報量が多い大都市圏と比べると、地方の動きは鈍く感じる」と話す。本県内の受け入れ申し込みは、まだないという。