荒井退造を取り上げた県立高向けの資料集「とちぎから見る世界と日本」

 県教委が初めて作製した県立高向けの歴史(日本史、世界史)の資料集に、太平洋戦争末期に沖縄県警察部長を務めた宇都宮市出身の荒井退造(あらいたいぞう)(1900~45年)が取り上げられている。足尾銅山鉱毒事件の被害民救済などに尽力した田中正造(1841~1913年)に比肩する扱いで、家族に宛てた手紙を紹介するなど5ページを割き、退造の存在をきっかけに戦争末期の日本を取り巻く情勢を学ぶ内容となっている。

 資料集は「とちぎから見る世界と日本」(A4判、カラー105ページ)。2016年度にスタートした県教育振興基本計画2020(教育ビジョンとちぎ)で「地域への理解を深める教育の充実」を掲げたことから、県教委が3月に1万3千部を作製し、全県立高に配布した。

 古代、中世、近世と年代ごとの出来事を本県の偉人、遺物と絡めてたどる構成で、退造は最後の項目に登場。その出自や、当時の島田叡(しまだあきら)沖縄県知事と共に同県民の疎開事業に奔走した功績をはじめ、長男・長女への愛情がにじむ手紙の文面なども紹介した上で、当時の戦局や沖縄戦の位置付けに関する問題を載せた。