野菜売り場でモヤシを手に取る女性=19日午前、宇都宮市内のスーパー

 「モヤシの価格は安すぎる」と、生産者が悲鳴を上げている。国内の生産者53社などでつくる「もやし生産者協会」は今春、1袋40円の「適正価格」での販売を求める声明を小売業界や消費者に発信した。原料費や人件費が上がる一方、小売価格はここ10年で1割下落し、中小生産者の廃業も相次ぐ。産出額全国一の本県の関係者も「経営努力にも限界がある」と窮状を訴えるが、小売り側には他店との激しい競争という事情もあり、現状打開は簡単ではなさそうだ。

 声明は3月に発表された。原料である中国産緑豆の価格は天候不順による不作などで2005年から10年間で約3倍に高騰、国内の最低賃金も2割上がる一方、小売価格は1割下がった。「生産者は体力を消耗し切っている」と訴えた。声明発表は09年以降、6回目。09年に230社以上あった生産者は現在、130社を切ったという。

 同協会の会員で準大手の上原園(栃木市都賀町家中)の岡部一法(おかべかずのり)社長(43)は「これまでの声明もあり、1袋(主に200グラム入り)が5円、1円といった異常な激安は沈静化したが、中心はまだ20円台。40円は業界が生き延びるギリギリのラインだ」と話す。

 上原園によると、県内の生産者はここ10年で1社減り、現在5社。生産に欠かせない良質な地下水が豊富で、大消費地の首都圏に近いことから業界1位を含む大手生産者の工場が複数進出している。