宇都宮市の女性がPTA会長宛てに提出した「退会届」の写し

 新年度を迎え、多くの学校で新体制となるPTA。子どもの健全育成を目的に活動する団体だが、負担の大きさを指摘する声も上がる。背景には、共働きやひとり親世帯の増加、価値観の多様化などがあるとされ、専門家は時代に応じた仕組みづくりの必要性を訴える。

 「PTA会議に代役で出てほしい。欠席裁判で役員にされてしまう」。宇都宮市内の便利屋業者には近年、こうしたPTA関連の依頼が寄せられるようになった。依頼者は、仕事を抱える親が多いという。

 PTA活動の中でも、特に役員改選は難航しがち。「『決まるまで出られない』と教室に閉じ込められ、軟禁状態だった」「出身幼稚園で係が決まってしまう」「やりたくないと泣いて訴える人もいた」。県内小中学校の保護者から聞こえてきたエピソードだ。

 宇都宮市の女性は昨年、PTA会長宛てに「退会届」を提出した経験を明かす。1人1役制で大人数が集められる単純作業に会社を休む必要性もやりがいも感じられなかったためだが、役員らから「退会は認めない」と言われた。退会後はPTA会員でないことを理由に学童保育の利用も打ち切られてしまったという。

 県PTA連合会は「PTAは任意加入で、強制するべきものではない」との認識を示す。

 県教育委員を務める宇都宮大教育学部の陣内雄次(じんのうちゆうじ)教授は、PTAの必要性を認めた上で「仕組みを見直す時期」と指摘。