将棋の渡辺明(わたなべ・あきら)棋王(32)に千田翔太(ちだ・しょうた)六段(22)が挑戦している第42期棋王戦(下野新聞社、棋王戦宇都宮対局実行委員会、共同通信社など主催)5番勝負第4局は20日、宇都宮市西原町の宇都宮グランドホテルで指され、午後5時45分、97手で先手の渡辺棋王が勝ち、対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。

 先手の渡辺明(わたなべあきら)棋王(32)が貫禄を見せ、中盤からペースをつかんで押し切って2勝2敗のタイに持ち込むと、大盤解説会場はどよめきが広がった。一方、同ホテルで同時開催された第8回とちぎ将棋まつりは、多くの家族連れなどでにぎわった。

 午前9時から始まった対局は大盤解説会場で同時中継され、解説役の棋士が指し手を読んで駒を動かすと、詰めかけた愛好者はうなずき、腕組みしながら注視していた。午後5時45分、渡辺棋王が勝利すると、どよめきと拍手が起こった。

 戦いを終えた両者は特設ステージに上がり、渡辺棋王は「手順は良かったので、昼明けからが勝負だと思った」、敗れた千田翔太(ちだしょうた)六段(22)は「ちょっと苦しかった。形勢判断にミスがあった…」と振り返った。

 大盤解説に聞き入っていた宇都宮市西川田1丁目、福島実(ふくしまみのる)さん(72)は「難しいが勉強になる。若い人が頑張っているのは、いい」と強調していた。

 とちぎ将棋まつりは木村一基(きむらかずき)八段をはじめ、広瀬章人(ひろせあきひと)八段、中川大輔(なかがわだいすけ)八段、戸辺誠(とべまこと)七段、さらに飯野愛(いいのあい)女流1級、塚田恵梨花(つかだえりか)同2級が参加し、指導対局やサイン会を行った。

 飛車落ちの木村八段と対戦した鹿沼市野沢町、大嶋忠(おおしまちゅうさん(75))は約1時間で堂々の勝利。「間違いですよ。間違い」と謙遜し「終盤に入って、ひょっとしたらと感じた。最高の思い出になりました」と喜びに浸っていた。

 ライオンやキリンなど四つの駒で対戦する「どうぶつしょうぎ」を楽しんだ宇都宮市下栗町、中学2年加藤慎之佑(かとうしんのすけ)さん(14)は「普通の将棋と違って面白い。勝負が早く決着するところが魅力」と手際よく指していた。