県内の林業関係者が、放射性物質に汚染された樹皮の処理に頭を悩ませている。製材の過程で出る樹皮は、リサイクルできないまま製材所などに滞留した状態が続いており、長引けば木材生産や流通に影響が出かねない。県は2011年度12月補正予算に緊急処理対策費として5400万円を計上したが、一時的な対応にすぎず、国からも抜本的な解決策は示されていない。県森林組合連合会は国が対応方針を示し費用負担することなどを訴えている。
切り出された丸太の山の間に、行き場を失った樹皮がうずたかく積み上がる。「このままでは丸太が置けなくなり、取引に支障が出る」。17日、鹿沼市富岡の県森林組合連合会鹿沼木材共販所で、視察に訪れた民主党県連幹部に同連合会の担当者が窮状を訴えた。
同連合会は、山から運んだ木材の入札を行う共販所を県内3カ所で運営している。樹皮は、これまで堆肥の原料などにリサイクルされていた。しかし樹皮から1キログラム当たり300ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたことで、昨年8月以降、堆肥製造業者が引き取りを拒否。現在までに3カ所で合計8千立方メートル、2400トンの樹皮が滞留している。
■賠償対象に追加を
県は樹皮の焼却処分費用などとして、12月補正予算に5400万円を計上した。だが、同連合会によると、この予算を活用しても共販所に滞留する樹皮の4割しか処分できないという。今後も放射性物質に汚染された樹皮は増え続けるため、県の対応は一時しのぎに過ぎないのが実情だ。
国は肥料に関する暫定基準値を1キログラム当たり400ベクレルと設定したが、樹皮の基準はまだなく、処分方法に関する指示もない。同連合会の枝任郎参事は「抜本的な処理方法を国が指示し、費用も国の予算から出すか、東京電力の損害賠償の対象としてほしい」と求める。