ツール・ド・とちぎ第1日のゴール地点。トップレーサーたちに熱視線を送る観衆を、その人は感慨深げに見つめていた。元栃木SC選手で足利市広報課の永井健太(ながいけんた)さん(35)らは、レースを盛り上げようとPR動画を作成するなど大会成功のために奔走してきた。

 硬式野球の全(オール)足利クラブ応援団長も務める永井さんは「自分はサッカーでいい経験をしてきたが、他の競技もそれぞれの素晴らしさがある。それを伝えたい」。もちろん自転車も例外ではない。

 永井さんの呼び掛けで市職員の若手6人からなる有志グループ「あしかが一万人プロジェクト」を結成。アイデアを出し合った。

 レースは年度末の平日。学生ら若者をターゲットに、動画でのPRを決めた。「正直、自転車ロードレースに対する認知度がほぼ皆無な状態からのスタート。まずは知ってもらうことだった」

 不安もあった大会当日。レース展開を伝える大型モニター前にはスタート時から人が集まり、ゴール間近になると沿道に人垣ができた。

 笑顔で会場を後にする観衆を見ながら、影の立役者は「第1回としては100点かな」とうなずく。