第99回全国高校野球選手権大会の開会式で、優勝旗を返還する作新の添田真聖主将=8日午前、甲子園球場

 大役を終えた18歳の表情は勝負を前にした球児へと切り替わっていた。第99回全国高校野球選手権大会が8日、甲子園球場で開幕した。開会式で居並ぶライバル校の視線を一点に集め、深紅の大優勝旗を返還した作新学院高の添田真聖(そえだまさと)主将。「改めて先輩たちの偉大さを感じた。これからは自分たちの勝負」と次の目標に目を向けた。

 「添田1人で甲子園を行かせるわけにはいかない」。昨夏、54年ぶり2度目の全国制覇の直後、ナインは全員で優勝旗を返しに行くことを目標に据え、聖地を目指してきた。

 エースの今井達也(いまいたつや)やスラッガー入江大生(いりえたいせい)らが抜け、「小粒になった」と評された新チーム。それでも周囲からは常勝を期待された。

 そんな中で夏の県大会を7連覇。ただ、そこに至るまでの重圧は過去のチームに比べてもはるかに大きかった。連勝を重ねれば重ねるだけ増す「負けられない」という気持ち、ましてや今年は“甲子園の王者”の称号が常に付いて回った。

 そうした重圧と戦いながら、添田主将は誰よりも練習を積み重ねてきた。

 甲子園球場が真夏の日差しを取り戻したこの日。添田は言った。「自分らしく野球をやることが大切だとやっと分かった。いまは重圧を楽しんでいる」