「一緒に走ってみたかった」-。那須町で起きた雪崩事故で亡くなった矢板市荒井、大田原高1年高瀬淳生(たかせあつき)さん=当時(16)=の自宅を6日、自転車ロードレースの宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンの選手ら4人が訪れ、冥福を祈った。自転車ファンで、事故直後に行われたロードレース「ツール・ド・とちぎ」を心待ちにしていた淳生さん。それを下野新聞の報道で知り、「何かできることはないか」との思いだった。遺影の前で「必ずいい走りを見せる」と、涙で活躍を誓った。

 「ツール・ド・とちぎ」最終日の2日、淳生さんは矢板市役所でスタートを見た後、自転車で宇都宮市のゴール地点まで行く予定だった。だが、レース観戦はかなわなかった。

 紙面で知ったブリッツェンの広瀬佳正(ひろせよしまさ)GM(39)は、ブラーゼンの清水良行(しみずよしゆき)監督(34)に呼び掛けた。「淳生君は自転車好きの仲間。感謝を伝えたい」。

 この日、2人はブリッツェンの増田成幸(ますだなりゆき)選手(33)、ブラーゼンの吉岡直哉(よしおかなおや)選手(25)と共に黒のスーツ姿で淳生さん宅を訪ねた。

 「地元チームとして何かできないかと思い、うかがいました」と広瀬GM。母晶子(あきこ)さん(50)は「淳生、選手たちが来てくれたよ」と、遺影に語り掛けた。

 広瀬GMは「何度もレース観戦してくれていた淳生君に会いたかったし、一緒に走りたかった」と悔やむ。それでも、晶子さんにはこう伝えた。「レースで勝って、報告に来ます」