「松坂トンネル」の開通式でテープカットする関係者

 【鹿沼】県道板荷引田線の「松坂トンネル」の開通式と通り初め式が12日、引田側坑口付近で行われ、その後、一般供用が始まった。思川開発事業の一環として整備されたが、市北部と西部が一本の道でつながり、移動時間短縮など市民生活にとっても効果は大きい。工事が長年かかっただけに、式典に参加した地元住民らは「やっと便利になる」と笑顔を見せた。

 開通式には来賓や土地提供者ら約60人が参加。赤松俊彦(あかまつとしひこ)副知事が知事のメッセージを読み上げ、工事経過報告や、国会議員、県議らの祝辞が続いた。

 通り初め式はトンネル入り口前で国、県、市、地元代表らによる交通安全祈願、テープカット、くす玉開披が盛大に行われた。その後、パトカー先導による車列の通り初めも行われた。

 地元挙げてのセレモニーも。式典の合間、よさこいの地元チーム「勢や 鹿沼」が元気よく踊りを披露、祝賀ムードを盛り上げた。また板荷地区で3月に行われる伝統行事「アンバ様」も登場。笛を中心としたおはやしが響き、大天狗がトンネル前で「アンバ大杉大明神、悪魔払ってヨイのヨイのヨイ」と大声でお払いをした。

 完成した県道板荷引田線は2700メートル(トンネル703メートル)で歩道なしの片側1車線。これまで峠部の一部区間が通行不能だった。そのため国土交通省と水資源機構が進める思川開発事業(南摩ダム)の一環としてダム工事用道路を確保するため、2005年度から計画された。トンネルは13年度から工事を進めていた。総事業費は約37億円(県負担分は約10億円)で、うち約24億円がトンネルの事業費。

 トンネルの開通により、引田地区の最寄り駅は東武日光線の北鹿沼駅から板荷駅となる。市北部と西部の地域間交流や観光ルートの広がりなども期待される。