10日公示-22日投開票の衆院選で、共産党県委員会が栃木2区の立候補予定者を取り下げたことで、一転して2区は前職2人の一騎打ちの構図となった。共産側は「自主的な取り下げ」を強調するが、無所属候補への推薦などについて含みを残す。民進党の希望の党合流で、1度はついえかけた「野党連携」が復活する可能性が出てきた。前回衆院選同様の激戦が予想される中、雌雄を決しかねない共産票の行方を与党側は警戒している。

 「今のところ何かを求めるつもりはない」。6日午後、県庁記者クラブ。記者会見に臨んだ共産県委員会の小林年治(こばやしとしはる)委員長は、民進県連代表で無所属前職の福田昭夫(ふくだあきお)氏(69)との選挙協力については白紙を強調した。

 ただ今後の推薦や党員の小選挙区投票先について、小林委員長は「検討する」と否定しなかった。

 2014年衆院選で、福田氏は、自民前職西川公也(にしかわこうや)氏(74)を199票の僅差で振り切った。このため、前回衆院選で共産が獲得した約9千票の行方については、両陣営が神経をとがらせている。

 西川陣営関係者は、今回の共産候補予定者取り下げについて「プラスにはならない」と表情を曇らせる。ただ「今後、福田氏の陣営と共産の連携も想定されるが対策は考えている」と強調。自民支持層固めと、無党派層取り込みを意識した票の上積みで対抗する戦略を描く。

 ただ共産陣営は、県内12万票の比例票獲得を目標に掲げる。「(候補者取り下げにより)2区で選挙カーを回せないのはマイナス」(県委員会幹部)とみる向きもある。福田氏の陣営内には「何らかの協力を求められるかもしれない」という観測も流れている。

 福田氏は同日、記者団の取材に「(候補者取り下げは)非自民勢力が結集しやすい環境づくりという意味でありがたい」と歓迎の意を表明。ただ支持者の比例票の行方には「現実的に『どこの党へ』というのは難しい」との見方を示した。