2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件の控訴審第4回公判が21日、東京高裁(藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長)で開かれ、遺体に付着していた猫の毛のDNA型を巡り、2人の獣医学者の証人尋問が行われた。一審判決は被告の飼い猫と同一の可能性があるとしていたが、弁護側証人は「別の猫である蓋然性(がいぜんせい)が高い」などと主張。一方、検察側証人は矛盾がないことを改めて強調し意見が対立した。

 殺人罪に問われているのは鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(35)。宇都宮地裁の一審裁判員裁判判決は、検察側証人の村上賢(むらかみまさる)麻布大教授によるミトコンドリアDNA型鑑定結果などから「(飼い猫と)同一である蓋然性が相応に高い」と判示していた。

 証人尋問で弁護側証人の宮沢孝幸(みやざわたかゆき)京都大准教授は、村上教授の鑑定機材や分析手法を疑問視。一審判決の根拠となった村上教授による猫570個体の研究データについて、「途中で鑑定の基準が変わっている」と批判した。その上で同じDNA型の猫は国内に「約19%」いると説明し、村上教授が主張した「0・53%」を否定した。

 また同じ猫でも毛1本ごとに型が異なる可能性があること、生息地域ごとに型の出現頻度が大きく偏ることなどを挙げ、遺体に付着した猫の毛1本で「同一性を議論することは不適切」と強調した。

 一方、村上教授は遺体に付着した毛と被告の飼い猫の毛のDNA型について、「同一個体に由来するとみて矛盾はない」と訴えた。