2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件の控訴審第2回公判が30日、東京高裁(藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長)で開かれ、殺害現場や殺害状況について、2人の法医学者の証人尋問が行われた。弁護側証人で出廷した東京医大の吉田謙一(よしだけんいち)教授は「殺害現場は自白供述と明らかに異なる」と、遺体の状況などとの矛盾点を指摘。検察側証人の東京医科歯科大の上村公一(うえむらこういち)教授は「自白の内容に矛盾や不合理な点はない」と反論した。

 殺人罪に問われているのは鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(35)。一審宇都宮地裁で無期懲役判決を受けて控訴中。

 吉田教授は遺体の司法解剖結果の分析などから、「女児を10回刺した。6~7秒だった」などとする自白との矛盾点を主張。手足を縛られ立ったままの女児の右肩を左手だけで支えて刺したなどとする点は「力学的にあり得ない」と証言。肩に強くつかまれた圧迫痕がないことも疑問視した。

 一方、上村教授は「右肩の圧迫痕はすぐに手を離せば残らない」と反論。遺体発見現場に残っていた血液が少ないとの主張については、傷の状況から「体外にはあまり出ない。検視や司法解剖時に漏れることはある」と説明した。