2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年の吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が下校途中に連れ去られ、殺害された今市事件の控訴審初公判が18日、東京高裁(藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長)で開かれる。弁護団は独自の現場検証や新たな開示資料などから、無罪を訴える被告が捜査段階で語った「自白」の矛盾、DNA型鑑定の疑問を改めて主張。遺体の粘着テープに「正体不明のDNA型」があったと指摘するが、検察側は指紋鑑定時に混入した可能性があると反論するとみられる。

 殺人罪に問われているのは鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(35)。当初は起訴内容を認めていたが全面否認に転じ、一審宇都宮地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受け、控訴中。

 有力な物証はなく、一審は自白が争点となった。弁護団は違法な取り調べによる虚偽自白と指摘したが、取り調べの録音録画映像が決め手となり、自白の任意性や信用性が認定された。

 殺害場所は自白通り、遺体が発見された茨城県常陸大宮市内の山林とされたが、弁護団は別の場所と主張する。控訴審では法医学者に殺害方法の分析を依頼し、現場検証も実施。自白と遺体の傷、現場に流出した血液量との矛盾を訴える。

 一審判決は遺体に付いていた粘着テープのDNA型は、混入した県警の鑑定人で矛盾がないとした。弁護団は新たに開示された鑑定の元データから、被告や女児、県警関係者以外の第三者だとする法医学者の意見書を提出。関係者によると、検察側はDNA型鑑定前に茨城県警が指紋鑑定を行っていたと明かし、その際に第三者の型が混入した可能性を指摘するという。