控訴審の弁護方針を説明する一木明弁護士(左から2人目)ら弁護団=29日午後、東京・霞が関

 2005年、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件で殺人罪に問われ、一審宇都宮地裁で無期懲役判決を受けて控訴した勝又拓哉(かつまたたくや)被告(35)の弁護団は29日、東京都内で記者会見を開いた。女児の遺体や付着していた微物に関する複数のDNA型鑑定で、被告のDNA型が検出されずに第三者の型が検出されたとする専門家の意見書などを東京高裁に提出したことを明らかにした。被告の飼い猫と遺体に付着していた獣毛などの鑑定結果に関する反論なども積み重ね、無罪主張する方針を示した。

 弁護団によると、県警は捜査段階で女児の遺体や付着していた粘着テープに関して、細胞内のミトコンドリアを利用したDNA型鑑定を専門家に委託。被告の型が検出されなかった一方、一審後に開示された資料により、県警のDNA型鑑定人や捜査関係者に加え、「第三者」の型が検出された可能性があるという。

 弁護団は「ミトコンドリアDNAは型が検出されやすい。捜査関係者の型まで出ているのに、被告が全く出ていないのは不自然」と指摘。29日までに鑑定結果を分析した日本大の押田茂實(おしだしげみ)名誉教授の意見書を提出した。

 一審で「同一でも矛盾はない」と認定された被告の飼い猫と、女児の遺体に付着した獣毛のミトコンドリアDNAについては、弁護団は京都大の宮沢孝幸(みやざわたかゆき)准教授に鑑定を依頼。「0・53%とされていた出現頻度は約19%」などとする鑑定書も提出した。

 初公判は10月18日に開かれる見通し。同30日には自白内容と遺体や殺害現場の状況が矛盾するとの鑑定書を提出した東京医大の吉田謙一(よしだけんいち)教授や、東京医科歯科大の上村公一(うえむらこういち)教授の証人尋問が行われる予定。12月21日には宮沢准教授と、一審前に獣毛の鑑定を行った麻布大の村上賢(むらかみまさる)教授の証人尋問が行われるという。