特殊詐欺撃退機器(電話機の手前の機器)が付いた電話機で通話する時さん=10日午後、宇都宮市下岡本町

 特殊詐欺の被害が相次ぐ中、固定電話に取り付ける「特殊詐欺撃退機器」の貸与や購入補助が県内全25市町のうち9市町に広がっていることが18日までに、下野新聞社のまとめで分かった。県警では先行して2015年から貸与を行っているが、設置世帯でこれまで被害がないなど効果が出ている。県警は「多くの自治体に取り組みが広がれば、被害防止につながる」と効果に期待を寄せている。

 「機器を付けてからは特殊詐欺はもちろん、押し売りのような不審な電話もなくなった」。宇都宮市下岡本町、時敏夫(ときとしお)さん(71)、喜久江(きくえ)さん(68)夫妻は効果を証言する。子どもたちと離れて暮らしており、16年秋に同市の貸与事業に応募した。

 機器は、電話をかけてきた相手に自動音声で「犯罪被害防止のため会話内容が録音されます」との警告メッセージを流し、実際に録音する。同様の機能を備えた電話機もある。

 機器の貸与や購入補助を行う県内市町は、16年7月に宇都宮市が貸与を始めて以降、1年ほどで9市町に増えた。多くの市町の担当者が「県警で既に効果が上がっており、市民の被害を防ぐための手段として期待できる」とする。

 9市町のうち、1年間無償貸与するのが宇都宮、佐野、日光、那須塩原、下野、上三川の6市町。栃木、大田原、高根沢の3市町は上限3~5千円で購入費を補助する。いずれも65歳以上の高齢者がいる世帯を対象とする。

 7月末現在、9市町合計で640台を貸与、73台の購入費を補助した。