記者会見で植物が低温を感じる仕組みを説明する児玉准教授=4日午前、宇都宮大峰キャンパス

 宇都宮大バイオサイエンス教育研究センターの児玉豊(こだまゆたか)准教授(38)=分子細胞生物学=の研究グループは7日までに、植物が寒さを感知する仕組みを解明したと発表した。細胞にあって青色光を感知する光受容タンパク質が、光だけでなく低温も感知していることを発見し、この低温感知に基づき最適な光合成が行われるよう調節していたことを証明した。この仕組みを応用すれば、寒冷条件下で植物の育ち方を改善できる可能性があり、冬季の農作物の収量増などが期待できるという。

 研究成果は8日未明、米国科学アカデミー紀要に掲載される。宇大によると、この仕組みの解明は世界初という。

 植物が低温を感知する仕組みを明らかにするため、児玉准教授は光合成を行う細胞小器官「葉緑体」に着目。葉緑体が低温に反応して細胞の側面に動く「寒冷定位運動」を発見し、2008年には同運動が各細胞にある光受容タンパク質「フォトトロピン」に制御されていることも明らかにしていた。

 その後、同運動を誘導するのが活性型のフォトトロピンであると判明。さらに、通常は不活性型なのが青色光を浴びると活性型になり、再び不活性型に戻るのに要する時間は周囲の温度が低いほど長くなることが分かった。児玉准教授はこの不活性型に戻る時間によって、植物は温度変化を認識していると結論付けた。