農家が指定廃棄物を一時保管する市町長を集めた会議であいさつする伊藤環境副大臣(前列中央)=10日夜、宇都宮市内

 農業系指定廃棄物を保管する農家の負担軽減策として環境省は10日、市町ごとの暫定集約保管を関係市町長会議で示した。新たな提案に、出席した首長からは「新たな集約先を確保するのは難しい」と実現を疑問視する声が上がった。

 53農家が保管する那須町の高久勝(たかくまさる)町長は会議の席上、「放射能への不安はいまだにあり、暫定集約は簡単にはいかない」と問題点を指摘。その上で「災害時の危険性を懸念するのなら、コンクリートブロックなど保管農家に強固措置をとってほしい」と訴えた。

 会議後、取材に応じた高久町長は「せっかく町民が落ち着いてきたところに今回の提案で寝た子を起こすことになる。風評被害や反対運動など大きな混乱が起こり、町民の一体感が分断されかねない」と懸念した。

 那須町と同数の53農家が保管する那須塩原市。会議後、君島寛(きみじまひろし)市長は「農家の重い負担を軽減したい思いがある。環境省が示した負担軽減のための協議の土俵には乗るべきだ」と前向きにとらえた。