今市事件で殺人罪に問われた鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(34)の弁護団は28日の記者会見で、一審・宇都宮地裁で有罪認定の要となった自白の信用性について、独自の現場検証や識者の新たな鑑定を根拠に次々と反論した。遺体の粘着テープのDNA型は検察側から開示請求された新たな資料から、今後追及する考えを示した。

 「被告人の無罪を確信している。冤罪(えんざい)事件だと思っている」

 控訴審から弁護団に加わった今村核(いまむらかく)弁護士(第二東京弁護士会)はそう言って、一審判決の事実誤認の説明を始めた。

 一審判決は被告が「自白」した殺害状況や殺害現場が客観的状況と矛盾しないと認定している。

 控訴審では「第3の法医学者」として、東京医大の吉田謙一(よしだけんいち)教授に検証を依頼。遺体の出血量や傷の状況から「一審判決では数秒で殺害とされたが、数分間はかかっている。(一審判決は)客観的状況からありえない」とまとめた。

 有罪の決め手とされた録音録画について、奈良女子大の浜田寿美男(はまだすみお)名誉教授(法心理学)による約400ページの鑑定書から被告に対する誘導に言及した。

【今市事件】被告弁護団が新鑑定など56点調べ請求 高裁に趣意書、無罪主張