2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件で、殺人罪に問われ一審宇都宮地裁で無期懲役判決を受けた鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(34)の弁護団は28日、「自白は客観的状況と矛盾があり、誘導されたもので信用性はない」などとする控訴趣意書を東京高裁に提出した。一審とは別の法医学者らによる鑑定書など証拠56点の取り調べを請求。一審同様に無罪を主張している。

 弁護団は提出後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。趣意書はA4判で215ページ。

 一審判決は、殺害状況や遺棄状況などが客観的事実と矛盾しないなどと認定した。しかし弁護団は一審判決後、別の法医学者による鑑定や遺体の遺棄現場での検証実験を実施。「自白の通りでは殺害できず、殺害現場と遺棄現場は異なる」との見方を示した。

 さらに、心理学者などが被告の録音録画映像を全て分析。「被告は事件のことを知らないと分かる」「犯行の知識がない」とした。

 一審でも争点となった遺体に付着した粘着テープのDNA型については、検察から新たな資料が開示されたことを明かした。その上で被害者や被告、鑑定人でもないDNA型があるとし「真犯人に由来する可能性は大いにある」とした。

【今市事件】弁護団、新鑑定根拠に次々反論 自白の信用性を否定