足利事件で再審無罪が確実な菅家利和さんの再審公判に関連し、宇都宮地検は14日、別の女児殺害事件2件(未解決)で菅家さんを取り調べた内容を録音したテープなどの開示に応じる方針を宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)と弁護団に書面で伝えた。検察側は開示をめぐり、プライバシーへの配慮などを強く求めており、弁護団は15日に開く弁護団会議で対応を協議する。
同地検によると、地裁に「訴訟進行に関する意見書」を提出、弁護団にも同じ書面を送った。基本的には非開示の考えだが、裁判の円滑な進行に協力する観点から、「(テープなどの)証拠開示に応じる用意がある」との内容を明記したという。
また、早期の判決が菅家さんの名誉回復につながるとして、裁判所に無罪判決までの審理計画を明らかにするよう求めた。
同地検は「裁判所の勧告や命令を受けてまで開示に反対する考えはない。しかし、個人情報だけでなく名誉なども考え、配慮を求めた。弁護団から具体的に開示方法や時期を求められれば、裁判所の見解も踏まえた上で、検討したい」と説明している。
同地検の元検事が任意の取り調べで録音したテープは、菅家さんが別の2事件の犯行を「自白」し、のちに否認するまでの変遷が十数本録音されているとされる。県警も2事件に関する録音テープが3本あることを明らかにした。
再審公判の審理計画を話し合う今月4日の三者協議で、地裁は「足利事件に関する自白の任意性に影響を及ぼした可能性がある」と、開示の方針を示した。このため、弁護団は開示の時期と方法を14日までに回答するよう地検に要請した。
一方地検はこれまで、「再審公判では有罪立証しないので、テープの開示は不必要」などと開示に否定的な見解を示していた。